17PM146|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
抜鍼困難時に用いる処置で適切でないのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
抜鍼困難(渋鍼)への対処を問う問題です。一般に挙げられていない処置を選びます。
解説
**抜鍼困難(渋鍼)**は、抜鍼しようとしても鍼が動かない、あるいは強い抵抗があって抜けない状態です。原因は、刺鍼部位の筋が緊張して鍼を締めつけること、回旋術で鍼を一方向に回しすぎて組織(筋線維や結合組織)が鍼にからまること、患者が体位を動かしたことなどです。
対処の原則は、無理に力を加えて引き抜かないことです。無理に引けば、折鍼や組織の損傷を招きます。まず患者をリラックスさせ、しばらく待つことが基本となります。
具体的な処置を確認します。
副刺激術は、刺入した鍼の周囲の皮膚を鍼管などで軽く叩打する手技です。周囲に刺激を加えることで局所の筋緊張がゆるみ、鍼が抜けやすくなります。したがって適切な処置です。
示指打法は、刺入した鍼に鍼管をかぶせ、鍼管の上端を示指で軽く叩打する手技です。振動を与えることで、からまった組織がゆるむ効果が期待できます。したがって適切な処置です。
迎え鍼は、抜けなくなった鍼の近くに、もう1本鍼を刺入する方法です。近傍への刺鍼により局所の筋緊張がゆるみ、元の鍼が抜けやすくなります。したがって適切な処置です。
返し鍼は、抜鍼困難への対処として一般に挙げられておらず、これが正答で3です。
そのほかの対処として、回旋術で締まった場合は逆方向にゆっくり回す、しばらく置鍼して待つ、患者に深呼吸をさせて緊張をゆるめる、刺入時と同じ体位に戻すといった方法があります。それでも抜けない場合は、無理をせず時間をおいて再度試みます。
なお、折鍼が起きた場合の対応も重要です。患者を動かさず、その体位を保ち、鍼体が体表に出ていればピンセットなどで慎重に抜去します。完全に体内に埋没した場合は、無理に探らず、直ちに医療機関へ紹介します。予防としては、鍼体を根元(鍼根)まで刺入しない、傷や曲がりのある鍼を使わない、単回使用鍼を用いる、過度に強い手技を避ける、通電中に患者を動かさないことが基本です。
選択肢の確認
1.副刺激術
適切。周囲の皮膚を叩打して筋緊張をゆるめます。
2.示指打法
適切。鍼管を通じて振動を与え、からまった組織をゆるめます。
3.返し鍼
適切でなく、これが正答。抜鍼困難への処置として一般に挙げられていません。
4.迎え鍼
適切。近傍に刺鍼して局所の筋緊張をゆるめます。
覚えるポイント
- 抜鍼困難=無理に引かない。副刺激術、示指打法、迎え鍼、逆方向への回旋、しばらく待つ。
- 原因=筋の緊張、回旋のしすぎで組織がからまる、体位の変化。
- 折鍼時=体位を保ち、出ていれば抜去、埋没していれば直ちに医療機関へ。予防は根元まで刺入しない。