17PM147|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
消毒のレベルと実例との組合せで適切でないのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
消毒のレベルと器材の分類を問う問題です。円皮鍼が皮膚を貫くかどうかが決め手になります。
解説
器材の処理レベルは、スポルディングの分類に基づいて決まります。この分類は、器材が生体のどこに接触するかによって、必要な処理を定めるものです。
クリティカル器材は、無菌の組織や血管内に挿入されるものです。滅菌が必要となります。鍼(毫鍼)、皮内鍼、円皮鍼、三稜鍼、手術器具がこれにあたります。
セミクリティカル器材は、粘膜または損傷した皮膚に接触するものです。高水準消毒が必要となります。内視鏡などが該当します。
ノンクリティカル器材は、健常な皮膚にのみ接触するものです。洗浄、または低水準消毒で十分とされます。枕、シーツ、ベッド、血圧計のカフなどが該当します。
これを踏まえて選択肢を検討します。
洗浄と胸枕の組合せは適切です。胸枕は健常な皮膚に接触するノンクリティカル器材であり、洗浄で対応できます。汚染があれば低水準消毒を行います。
消毒と施術者の手指の組合せも適切です。手指衛生は感染対策の基本であり、速乾性擦式アルコール製剤によるラビング法、あるいは流水と石けんによるスクラブ法で行います。施術の前後、患者ごとに実施することが原則です。
消毒と円皮鍼の組合せは適切でなく、これが正答で3です。円皮鍼は、ごく短い鍼を皮膚に刺入して留置するものであり、皮膚のバリアを貫いて体内に入るため、クリティカル器材にあたります。したがって必要なのは消毒ではなく滅菌です。実際、円皮鍼は滅菌済みの単回使用製品として供給されており、再使用は絶対に行いません。また、留置する性質上、貼付部位の発赤、かゆみ、化膿といった皮膚のトラブルにも注意し、貼付期間を守り、皮膚の状態を観察することが必要です。
滅菌と毫鍼の組合せは適切です。毫鍼も皮膚を貫いて体内に入るクリティカル器材であり、滅菌が必須です。現在はエチレンオキサイドガス滅菌や放射線滅菌された単回使用毫鍼が広く用いられ、使用後は感染性廃棄物として専用の容器に廃棄します。
選択肢の確認
1.洗浄 ─── 胸枕
適切。健常な皮膚に接触するノンクリティカル器材です。
2.消毒 ─── 施術者の手指
適切。ラビング法やスクラブ法により患者ごとに行います。
3.消毒 ─── 円皮鍼
適切でなく、これが正答。皮膚を貫くため滅菌が必要です。
4.滅菌 ─── 毫鍼
適切。皮膚を貫くクリティカル器材であり滅菌が必須です。
覚えるポイント
- スポルディングの分類=クリティカル(無菌組織へ挿入)は滅菌、セミクリティカル(粘膜)は高水準消毒、ノンクリティカル(健常皮膚)は洗浄か低水準消毒。
- 鍼、皮内鍼、円皮鍼、三稜鍼はすべてクリティカル器材で滅菌が必要。単回使用が原則。
- 滅菌=芽胞を含めすべて死滅、消毒=病原微生物を害のない程度まで減らす。