17PM150|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
脊髄の部位で痛覚を伝える一次求心性ニューロンがシナプスを形成するのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
痛覚の伝導路の最初の乗り換え地点を問う問題です。後角という答えを、他の部位と区別します。
解説
痛覚の伝導路を順に確認します。
一次求心性ニューロンは、皮膚や深部組織の**自由神経終末(侵害受容器)**から始まり、**Aデルタ線維(Ⅲ群)とC線維(Ⅳ群)として求心性に走ります。その細胞体は脊髄神経節(後根神経節)**にあります。
一次ニューロンは、後根を通って脊髄に入り、脊髄後角で二次ニューロンにシナプスを形成します。したがって正答は2です。この際、一次求心性線維の終末からは、サブスタンスPやグルタミン酸といった興奮性の伝達物質が放出されます。また、後角の膠様質(第2層)には抑制性の介在ニューロンがあり、ゲートコントロールや下行性痛覚抑制系による調節を受ける場でもあります。すなわち、脊髄後角は痛覚の伝達と調節の要となる部位です。
二次ニューロンは、後角で乗り換えた後、**その高さまたは1から2分節上方で正中を交叉(白交連)し、反対側の前側索を上行する外側脊髄視床路を通って視床(後外側腹側核)**に至ります。
三次ニューロンは、視床から内包後脚を通って**大脳皮質の中心後回(一次体性感覚野)**に投射されます。
他の選択肢を確認します。
前角には、**運動ニューロン(アルファ運動ニューロンとガンマ運動ニューロン)**の細胞体があります。運動の出力を担う部位であり、感覚のシナプス形成の場ではありません。伸張反射では、Ia群線維が前角のアルファ運動ニューロンに直接シナプスを作りますが、これは痛覚とは別の経路です。
前索は、脊髄白質の前方の部分で、**前皮質脊髄路(運動の下行路)**などが通ります。線維の通り道であり、シナプスを形成する場ではありません。
後索は、脊髄白質の後方の部分で、薄束と楔状束が通ります。ここを上行するのは識別性触圧覚と深部感覚を伝える一次ニューロンであり、交叉せずに同側を上行して、延髄の後索核で初めて二次ニューロンに乗り換えます。したがって、後索は痛覚の経路ではなく、またここでシナプスを形成するわけでもありません。
痛覚は後角で、深部感覚は延髄の後索核で乗り換えるという対比が、この分野の要点です。
選択肢の確認
1.前角
誤り。運動ニューロンの細胞体がある部位です。
2.後角
正しい。一次求心性ニューロンが二次ニューロンにシナプスを形成します。
3.前索
誤り。運動の下行路などが通る白質であり、シナプスの場ではありません。
4.後索
誤り。深部感覚の一次ニューロンが交叉せずに上行する白質です。
覚えるポイント
- 痛覚=後根から脊髄後角で乗り換え→すぐ交叉→前側索(外側脊髄視床路)→視床→中心後回。
- 後角は伝達と調節の要。サブスタンスPが放出され、膠様質でゲートコントロールを受ける。
- 深部感覚は同側の後索を上行し、延髄の後索核で乗り換えて交叉、内側毛帯を上行する。