17PM154|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
皮膚に損傷を与えないのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
皮膚に損傷を与えない灸法を問う問題です。有痕灸と無痕灸の区別で判断します。
解説
灸法は、皮膚に損傷(組織の破壊)を与えるかどうかによって、有痕灸と無痕灸に分けられます。
有痕灸は、艾炷を皮膚に直接置いて燃やし切るため、組織が破壊されて水疱や痂皮を生じ、瘢痕(灸痕)を残します。
透熱灸は、米粒大から半米粒大の艾炷を皮膚に直接置き、最後まで燃やし切る、最も一般的な有痕灸です。したがって皮膚に損傷を与えます。
打膿灸は、大きな艾炷で強い灸を行った後に膏薬を貼り、意図的に化膿させる方法です。強い組織破壊を伴い、瘢痕を残します。
焦灼灸は、いぼ、うおのめ、たこなどの組織を焼き切ることを目的とする灸で、組織の破壊を積極的に利用します。したがって皮膚に損傷を与えます。
ニンニク灸(隔蒜灸)は、薄く切ったニンニクを皮膚の上に置き、その上に艾炷を乗せて施灸する隔物灸です。間にニンニクを挟むため、艾の火が直接皮膚に触れず、熱が和らげられるので、組織の破壊を残しません。したがって無痕灸にあたり、皮膚に損傷を与えない灸法として正答は2です。ニンニクには温熱作用と薬効も期待され、古くから用いられてきました。
無痕灸をまとめると、知熱灸、隔物灸(塩灸、味噌灸、ニンニク灸、ショウガ灸、枇杷葉灸)、温灸(棒灸、温筒灸、箱灸)、灸頭鍼、押灸となります。
有痕灸を行う際の注意も重要です。瘢痕が残ることと、化膿する可能性があることを事前に十分説明し、同意を得ることが不可欠です。また、顔面部や露出部には行わない、知覚が低下している部位(糖尿病性神経障害、脊髄損傷など)や血流障害のある部位では避けるか慎重に行う、認知症など熱さを訴えにくい患者では特に注意するといった配慮が必要です。**免疫が低下している患者(糖尿病、悪性腫瘍の治療中、ステロイド薬使用中)**では、化膿から重篤な感染に至る危険があるため、有痕灸は避けるべきです。
選択肢の確認
1.透熱灸
誤り。艾炷を燃やし切る有痕灸であり、瘢痕を残します。
2.ニンニク灸
正しい。ニンニクを挟む隔物灸であり、無痕灸にあたります。
3.打膿灸
誤り。意図的に化膿させる有痕灸です。
4.焦灼灸
誤り。組織を焼き切ることを目的とする有痕灸です。
覚えるポイント
- 有痕灸=透熱灸、焦灼灸、打膿灸。組織破壊と瘢痕を伴う。
- 無痕灸=知熱灸、隔物灸(ニンニク灸など)、温灸、灸頭鍼、押灸。
- 有痕灸は説明と同意が必須。顔面と露出部、知覚低下、血流障害、易感染状態では避ける。