17PM157|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
施灸によるフレアー現象に関与しないのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
フレアー現象の機序に関わる要素を問う問題です。中枢の要素が混じっていないかを見抜きます。
解説
フレアー現象(フレア)は、施灸や刺鍼の後に、刺激点の周囲へ広がる発赤のことです。この機序は軸索反射によって説明されます。
軸索反射の流れを確認します。まず、熱刺激により皮膚のポリモーダル受容器が興奮します。ポリモーダル受容器は、機械刺激、熱刺激、化学刺激のいずれにも反応する多様式の侵害受容器であり、自由神経終末として存在します。この受容器を支配するのは、**細径の感覚神経線維、主にⅣ群線維(C線維)**です。
発生したインパルスは、中枢に向かって伝わると同時に、神経の分枝の分かれ目で向きを変え、末梢の別の枝へ逆行して伝わります。これが軸索反射であり、中枢を介さず、1本の軸索の中だけで完結する点が最大の特徴です。
逆行したインパルスが末梢の終末に達すると、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)とサブスタンスPが遊離されます。CGRPは強力な血管拡張作用をもち、サブスタンスPは血管透過性の亢進と肥満細胞からのヒスタミン遊離を引き起こします。その結果、血管が拡張して発赤が周囲に広がり(フレア)、透過性の亢進により膨疹(ホイール)も生じます。刺激点の発赤、フレア、膨疹の3つを合わせてルイスの三重反応といいます。
したがって、CGRP、Ⅳ群線維、ポリモーダル受容器は、いずれもフレアー現象に関与します。
広作動域ニューロンは関与せず、これが正答で4です。広作動域ニューロンは、脊髄後角にある二次ニューロンで、皮膚からの体性の入力と、内臓からの内臓求心性の入力が収束するという特徴をもちます。この収束が、関連痛(収束投射説)の基礎となります。すなわち、これは中枢(脊髄)における痛覚の伝達と関連痛の機序に関わる要素であり、末梢の軸索反射によって起こるフレアー現象には関与しません。
このように、フレアは末梢で完結する現象であり、中枢のニューロンは関わらないという点が本問の要点です。フレアは、鍼灸による局所の血流増加の主要な機序でもあります。
選択肢の確認
1.CGRP
関与する。軸索反射により遊離され、強力に血管を拡張します。
2.Ⅳ群線維
関与する。ポリモーダル受容器からの情報を伝える細径線維です。
3.ポリモーダル受容器
関与する。熱刺激を受容し軸索反射の起点となります。
4.広作動域ニューロン
関与せず、これが正答。脊髄後角のニューロンで関連痛に関わります。
覚えるポイント
- フレア=軸索反射による周囲への発赤。中枢を介さず1本の軸索内で完結する。
- 関与=ポリモーダル受容器、Ⅳ群線維(C線維)、CGRPとサブスタンスP。
- 広作動域ニューロンは脊髄後角で、体性と内臓の入力が収束し関連痛に関わる。