17PM158|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
透熱灸による生体反応でないのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
透熱灸による生体反応を問う問題です。熱刺激を受容するのはどの受容器かが決め手になります。
解説
透熱灸は、皮膚に強い熱刺激を与える方法です。これにより生じる生体反応を確認します。
C線維の興奮は起こります。熱刺激を受容するのは、皮膚の自由神経終末、とくにポリモーダル受容器であり、その情報を主に伝えるのがC線維(Ⅳ群線維)です。C線維の興奮は、遅い痛みと熱痛として自覚され、また軸索反射によるフレアー現象や、内因性オピオイドと下行性痛覚抑制系の賦活による鎮痛につながります。
血管透過性の亢進も起こります。施灸により組織が損傷されると急性炎症反応が生じ、ヒスタミン、プロスタグランジン、ブラジキニン、CGRP、サブスタンスPといった化学伝達物質が放出されます。これらの作用により、血管が拡張し、血管透過性が亢進して、血漿成分が組織間隙に漏出し、腫脹を生じます。
マスト細胞(肥満細胞)の活性化も起こります。組織の損傷やサブスタンスPの作用により、肥満細胞が脱顆粒してヒスタミンを放出します。ヒスタミンは、血管拡張、透過性亢進、かゆみを引き起こし、炎症反応の初期を担います。
クラウゼ小体の興奮は起こらず、これが正答で3です。**クラウゼ小体(クラウゼ終棍)**は、冷覚の受容器とされてきた被包性の受容器です。冷たい刺激に反応するものであり、透熱灸のような熱刺激では興奮しません。熱刺激を受容するのは自由神経終末であって、被包性の受容器ではないという点が要点です。
皮膚の受容器を整理します。触圧覚は、マイスネル小体(速順応、軽い接触)、メルケル盤(遅順応、持続的な圧)、パチニ小体(速順応、振動)、ルフィニ終末(遅順応、皮膚の伸張)、毛包受容器が担います。温度覚と痛覚は、いずれも自由神経終末が担い、冷覚は主にAデルタ線維、温覚と熱痛は主にC線維で伝えられます。ルフィニ終末が温覚の受容器とされてきた経緯もありますが、現在では温度覚も自由神経終末が主体と理解されています。
選択肢の確認
1.C線維の興奮
起こる。ポリモーダル受容器の情報を伝え、熱痛と鎮痛の機序に関わります。
2.血管透過性の亢進
起こる。炎症の化学伝達物質により血漿成分が漏出します。
3.クラウゼ小体の興奮
起こらず、これが正答。冷覚の受容器とされ、熱刺激では興奮しません。
4.マスト細胞の活性化
起こる。脱顆粒によりヒスタミンを放出します。
覚えるポイント
- 熱刺激を受容するのは自由神経終末(ポリモーダル受容器)。**C線維(Ⅳ群)**が伝える。
- クラウゼ小体は冷覚の受容器とされ、熱刺激では興奮しない。
- 透熱灸の局所反応=血管拡張、透過性亢進、マスト細胞の活性化、白血球の集積、血小板凝集。