17PM82|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
アレルギー性鼻炎について誤っている記述はどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
アレルギー性鼻炎の型を問う問題です。関与する免疫グロブリンが決め手になります。
解説
各選択肢を検討します。
発作性のくしゃみがあるという記述は正しいものです。アレルギー性鼻炎の三主徴は、発作性で反復するくしゃみ、水様性鼻汁、鼻閉です。抗原が鼻粘膜に付着すると、肥満細胞から放出されたヒスタミンが知覚神経を刺激してくしゃみ反射を起こします。
水様性鼻汁を特徴とするという記述も正しいものです。ヒスタミンなどの作用により腺分泌が亢進し、さらさらした透明な鼻汁が大量に出ます。細菌感染による膿性(黄色く粘る)鼻汁とは性状が異なる点が鑑別のポイントです。
IgG抗体が関与するという記述は誤りであり、正答は3です。アレルギー性鼻炎はⅠ型(即時型)アレルギーであり、関与するのはIgE抗体です。機序は次のとおりです。抗原に感作されると特異的なIgE抗体が産生され、鼻粘膜の肥満細胞(マスト細胞)の表面に結合します。再び同じ抗原が侵入してIgEに結合すると、肥満細胞が脱顆粒してヒスタミン、ロイコトリエン、プロスタグランジンなどを放出し、症状が引き起こされます。診断には、血清総IgE値、特異的IgE抗体検査(スギ、ダニ、ハウスダストなど)、鼻汁中好酸球の検出、皮膚テストが用いられます。IgGは血中に最も多い抗体で、唯一胎盤を通過し、二次応答の主役となるものです。
手術療法が行われるという記述は正しいものです。治療は、抗原の回避と除去を基本に、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、鼻噴霧用ステロイド薬による薬物療法、そして**アレルゲン免疫療法(減感作療法、舌下免疫療法を含む)**が行われます。薬物療法で十分な効果が得られない鼻閉が強い例には、下鼻甲介の粘膜切除やレーザー焼灼、後鼻神経切断術といった手術療法が選択されます。
アレルギー性鼻炎は、**通年性(ダニ、ハウスダスト、ペットの毛)と季節性(花粉症)**に分けられ、気管支喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎を合併しやすいことも押さえておきます。
選択肢の確認
1.発作性のくしゃみがある。
正しい記述。三主徴の一つです。
2.水様性鼻汁を特徴とする。
正しい記述。さらさらした透明な鼻汁が特徴です。
3.IgG抗体が関与する。
誤っている記述であり、これが正答。関与するのはIgE抗体です。
4.手術療法が行われる。
正しい記述。難治例には下鼻甲介手術などが行われます。
覚えるポイント
- アレルギー性鼻炎=Ⅰ型アレルギー、IgE、肥満細胞の脱顆粒、ヒスタミン。
- 三主徴=発作性くしゃみ、水様性鼻汁、鼻閉。膿性鼻汁は細菌感染。
- 治療=抗原回避、抗ヒスタミン薬、鼻噴霧用ステロイド、アレルゲン免疫療法、手術。