17PM83|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
特発性三叉神経痛で正しい記述はどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
特発性三叉神経痛の痛みの性質を問う問題です。トリガーゾーンの存在が決め手になります。
解説
特発性三叉神経痛は、多くの場合、脳幹から出る三叉神経の根元が、蛇行した血管(上小脳動脈など)によって圧迫されることで生じると考えられています。
その特徴を確認します。
好発年齢は中高年、とくに50歳以降であり、女性にやや多くみられます。したがって「若年者に多い」は誤りです。若年で三叉神経領域の痛みがある場合は、多発性硬化症や腫瘍による症候性(二次性)の三叉神経痛を疑う必要があります。
痛みの性質は、電撃様、刺すような、稲妻が走るような激痛で、持続は数秒から数十秒と短く、発作性です。発作と発作の間はまったく痛みがないことが特徴です。したがって「一日中シクシク痛む」は誤りです。持続的な鈍痛は、むしろ歯性の疼痛、副鼻腔炎、筋・筋膜性疼痛、非定型顔面痛を考えます。
誘発されるという点が最大の特徴です。トリガーゾーン(疼痛誘発帯)と呼ばれる特定の部位があり、そこに触れる、洗顔する、髭を剃る、歯を磨く、化粧をする、風が当たる、あるいは話す、噛む、飲み込むといった動作で発作が誘発されます。したがって「疼痛を誘発する部位がある」は正しく、正答は3です。患者はトリガーゾーンに触れることを極端に恐れ、洗顔や食事を避けるようになります。第2枝と第3枝の領域に多く、第1枝は比較的まれです。
治療は、内服薬が第一選択であり、カルバマゼピン(抗てんかん薬)がよく奏効します。これは、神経の異常な発火を抑えることによります。したがって「内服薬は無効である」は誤りです。薬物療法で効果が不十分な場合には、神経ブロック(眼窩下神経ブロックなど)、ガンマナイフ、**微小血管減圧術(ジャネッタ手術)**が行われます。
なお、三叉神経は知覚神経であるため、痛みがあっても麻痺は生じません。麻痺や感覚の脱失、他の脳神経症状を伴う場合は、症候性を疑って画像検査が必要です。
選択肢の確認
1.若年者に多い。
誤り。中高年に多く、若年では症候性を疑います。
2.一日中シクシク痛む。
誤り。数秒から数十秒の発作性の電撃様疼痛です。
3.疼痛を誘発する部位がある。
正しい。トリガーゾーンへの刺激や動作で発作が誘発されます。
4.内服薬は無効である。
誤り。カルバマゼピンがよく奏効します。
覚えるポイント
- 特発性三叉神経痛=中高年、電撃様の短い発作痛、トリガーゾーンで誘発、第2枝と第3枝に多い。
- 治療=カルバマゼピンが第一選択。無効なら神経ブロックや微小血管減圧術。
- 麻痺や他の神経症状を伴えば症候性を疑い画像検査へ。