17PM87|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
歩幅が一定のまま歩行率(ケイデンス)が増加したときの正しい記述はどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
歩行の指標の関係を問う問題です。歩行速度が何で決まるかという式で考えます。
解説
歩行に関する用語を整理します。
**歩幅(ステップ長)**は、一方の足の接地点から他方の足の接地点までの距離です。**重複歩距離(ストライド長)**は、同じ足が2回接地する間の距離で、歩幅のおよそ2倍にあたります。
歩行率(ケイデンス)は、単位時間あたりの歩数で、通常は毎分の歩数で表します。成人ではおよそ毎分110から120歩です。
歩行速度は、次の式で表されます。歩行速度=歩幅×歩行率。すなわち、歩幅を大きくするか、歩行率を上げるか、いずれかで歩行速度は速くなります。
したがって、歩幅が一定のまま歩行率が増加すれば、歩行速度は上がります。正答は2です。
他の選択肢を検討します。
歩隔が小さくなるという記述は誤りです。**歩隔(ステップ幅)**は、左右の足の間の横方向の距離であり、支持基底面の広さを表します。成人ではおよそ5から10センチメートルです。歩行率とは独立した指標であり、歩行率が上がったからといって歩隔が自動的に変わるわけではありません。なお、**バランスが悪い場合には歩隔が広がる(ワイドベース)**という現象がみられ、小脳性運動失調や高齢者の歩行で観察されます。
1歩行周期の時間が長くなるという記述も誤りです。歩行率が増加するということは、1歩にかかる時間が短くなることを意味します。したがって1歩行周期(同じ足が接地してから次に接地するまで)の時間は短くなります。
歩行周期における二重支持期の割合は変化しないという記述も誤りです。二重支持期(両脚支持期)は、両足が同時に地面についている時期で、1歩行周期に2回あり、正常歩行では周期のおよそ10パーセントずつ、合わせて20パーセント程度を占めます。歩行が速くなるほど二重支持期の割合は減少し、走行では二重支持期が消失して**両足が地面から離れる時期(遊脚相の重複)**が生じます。逆に、ゆっくり歩くほど二重支持期は長くなり、高齢者や不安定な歩行では二重支持期が延長します。
歩行周期は、**立脚相(およそ60パーセント)と遊脚相(およそ40パーセント)**に分けられることもあわせて押さえます。
選択肢の確認
1.歩隔が小さくなる。
誤り。歩隔は左右の足の横方向の距離であり、歩行率とは独立した指標です。
2.歩行速度が上がる。
正しい。歩行速度は歩幅と歩行率の積で表されます。
3.1歩行周期の時間が長くなる。
誤り。歩行率が増加すれば1歩行周期の時間は短くなります。
4.歩行周期における二重支持期の割合は変化しない。
誤り。歩行が速くなるほど二重支持期の割合は減少します。
覚えるポイント
- 歩行速度=歩幅×歩行率(ケイデンス)。歩行率はおよそ毎分110から120歩。
- 歩隔=左右の足の横方向の距離。バランスが悪いと広がる(ワイドベース)。
- 歩行周期=立脚相60パーセント、遊脚相40パーセント。速いほど二重支持期は短くなる。