17PM88|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
高次脳機能障害はどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
高次脳機能障害の定義を問う問題です。大脳皮質の特定の機能の障害かどうかで判断します。
解説
高次脳機能障害は、脳の損傷により、記憶、注意、言語、認知、行為、遂行機能といった高次の脳機能が障害された状態です。脳血管障害、外傷性脳損傷、脳炎、低酸素脳症などが原因となります。外見上は障害がわかりにくいため、「見えない障害」とも呼ばれます。
主なものを整理します。失語(言語の理解と表出の障害)、失行(運動麻痺がないのに目的の動作ができない)、失認(感覚は保たれているのに対象を認識できない)、半側空間無視、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、**社会的行動障害(脱抑制、意欲の低下、感情のコントロール困難)**です。
半側空間無視は、この中の代表的な症状であり、正答は1です。損傷した大脳半球と反対側の空間に注意が向かなくなる障害で、右半球(とくに右頭頂葉)の損傷により左側を無視することが多くみられます。食事で左半分を残す、左側の人に気づかない、左側の壁や物にぶつかる、絵を描くと左半分が抜ける、文章の左側を読み飛ばすといった形で現れます。重要なのは、視野は保たれているのに注意が向かないという点であり、視野欠損である同名半盲とは本質的に異なります。転倒や外傷の危険が高いため、環境の調整と声かけによる注意の喚起が必要です。
他の選択肢を確認します。
意識障害は、覚醒度そのものの障害であり、脳幹網様体賦活系や大脳の広範な障害によって生じます。高次脳機能を評価するには、まず意識が清明であることが前提となるため、意識障害は高次脳機能障害には含まれません。ジャパン・コーマ・スケール(3-3-9度方式)やグラスゴー・コーマ・スケールで評価します。
食欲亢進は、視床下部の摂食中枢と満腹中枢の異常、内分泌疾患、薬剤の影響などで生じるもので、高次脳機能障害ではありません。
不眠は、睡眠の量や質の障害であり、精神疾患、身体疾患、環境要因、薬剤など多様な原因で生じます。これも高次脳機能障害には含まれません。
選択肢の確認
1.半側空間無視
正しい。損傷と反対側の空間に注意が向かなくなる高次脳機能障害です。
2.意識障害
誤り。覚醒度の障害であり、高次脳機能を評価する前提が失われた状態です。
3.食欲亢進
誤り。視床下部の異常や内分泌疾患などで生じます。
4.不眠
誤り。睡眠の障害であり、高次脳機能障害には含まれません。
覚えるポイント
- 高次脳機能障害=失語、失行、失認、半側空間無視、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害。
- 半側空間無視=右半球損傷で左側を無視。視野は保たれる点で同名半盲と異なる。
- 意識障害は高次脳機能障害ではない。評価にはJCSやGCSを用いる。