17PM91第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問

過去問題(未分類)第17回午後(科目未分類)

大腿骨頸部骨折に対する人工骨頭置換手術前後のリハビリテーションで正しい記述はどれか。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

人工骨頭置換術前後のリハビリテーションを問う問題です。早期離床が原則であることを押さえます。

解説

大腿骨頸部骨折は、高齢者が転倒して生じる代表的な骨折で、そのまま寝たきりにつながる危険が高いため、早期手術と早期離床が治療の原則です。転位のある頸部骨折では、骨頭の血流が絶たれて骨癒合が得られにくいため、人工骨頭置換術が選択されます。

各選択肢を検討します。

手術前は両下肢の自動運動を禁止するという記述は誤りです。手術までの期間も、健側下肢と上肢の自動運動、患側の等尺性収縮運動、呼吸訓練を行い、廃用症候群を防ぐことが重要です。安静を強いれば、筋力低下、関節拘縮、褥瘡、肺炎、深部静脈血栓症が急速に進みます。

手術創が癒合し抜糸してから座位を開始するという記述も誤りです。人工骨頭置換術では、術後早期(多くは翌日から数日以内)に座位と立位を開始します。抜糸を待つ必要はありません。早期離床は、合併症の予防と機能回復のために不可欠です。

座位が安定してから歩行訓練を開始するという記述は正しく、正答は3です。リハビリテーションは、段階を踏んで進めるのが原則です。すなわち、ベッド上の運動→座位(端座位)→立位→平行棒内歩行→歩行器または杖歩行という順序で進めます。座位が安定していない段階で立位や歩行を行えば、転倒とそれに伴う再骨折や人工骨頭の脱臼を招きます。とくに高齢者では起立性低血圧を起こしやすいため、座位で血圧が安定することを確認してから次の段階に進みます。

術後1か月は患側の荷重を禁止するという記述も誤りです。人工骨頭置換術では、原則として術後早期から全荷重が可能です。人工物によって骨頭が置き換えられているため、骨癒合を待つ必要がないからです。これに対し、**骨接合術(スクリューやプレートによる固定)**では、骨癒合の状況に応じて荷重が段階的に許可されます。この違いは重要です。

術後の最大の注意点は人工骨頭の脱臼予防です。後方アプローチの場合、股関節の過度な屈曲(90度を超える)、内転(足を組む)、内旋の組合せで脱臼しやすいため、低い椅子やソファに座らない、足を組まない、しゃがみ込まない、床の物を拾うときは工夫するといった生活指導が行われます。

選択肢の確認

1.手術前は両下肢の自動運動を禁止する。
誤り。廃用予防のため健側の運動や患側の等尺性運動を行います。

2.手術創が癒合し抜糸してから座位を開始する。
誤り。抜糸を待たず術後早期に座位を開始します。

3.座位が安定してから歩行訓練を開始する。
正しい。段階を踏んで進めるのが原則です。

4.術後1か月は患側の荷重を禁止する。
誤り。人工骨頭置換術では早期から全荷重が可能です。

覚えるポイント

  • 大腿骨頸部骨折=早期手術と早期離床が原則。寝たきりの契機となる。
  • 進め方=ベッド上→座位→立位→平行棒→歩行器や杖。段階を飛ばさない。
  • 人工骨頭置換術は早期全荷重可。**脱臼予防(過度の屈曲、内転、内旋を避ける)**の生活指導が重要。
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