17PM96|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
寒邪の特徴でないのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
寒邪の性質を問う問題です。遊走性が風邪の性質であることを見抜きます。
解説
六淫は、**風、寒、暑、湿、燥、火(熱)**の6つの外邪です。それぞれの性質を整理します。
寒邪の性質は次のとおりです。
第一に、陰邪であり、陽気を損傷することです。寒は陰に属するため、体を温める陽気を消耗させます。その結果、悪寒、四肢の冷え、顔面蒼白、水様の分泌物、下痢が生じます。したがって「陰性の外邪である」は寒邪の特徴であり、正しい記述です。
第二に、収引性(収斂性)です。「収引」とは収縮し引きつけるという意味で、腠理を閉じて無汗となる、経脈や筋肉を収縮させて攣急(こわばり、ひきつり)を起こす、関節の屈伸が困難になるといった症状を生じます。したがって「収斂作用をもつ」は正しい記述です。
第三に、凝滞性です。寒により気血の運行が滞る(阻滞する)ため、「不通則痛」の原則どおり痛みが生じます。寒邪による痛みは激しく、部位が固定し、温めると軽減して冷やすと増悪するのが特徴です。したがって「気血を阻滞する」も正しい記述です。
遊走性は、寒邪の特徴ではなく、これが正答で3です。遊走性(善行して数変する)は風邪の性質です。風邪は、症状の部位が移動し、発症が急で変化が速いという特徴をもちます。行痹(風痹)で痛みの部位が移動するのはこの性質によります。
風邪の性質をまとめると、**軽揚性(上部と体表を侵す)、開泄性(腠理を開いて汗を出す)、遊走性(善行数変)、動揺性(けいれん、振戦、麻痺)、百病の長(他の邪を伴って侵入する)**となります。
そのほかの邪の性質も確認します。暑邪は炎熱性、昇散性、湿を挟みやすい、湿邪は重濁性、粘滞性、下注性、陰邪で脾を損なう、燥邪は乾燥性で津液を損傷し、肺を損なう、火(熱)邪は炎上性、気と津液を消耗し、動血(出血)と生風(けいれん)を起こすという性質をもちます。
選択肢の確認
1.収斂作用をもつ。
誤り。収引性は寒邪の特徴です。
2.気血を阻滞する。
誤り。凝滞性により気血が滞り痛みを生じます。
3.遊走性をもつ。
正しい。遊走性は風邪の性質であり、寒邪の特徴ではありません。
4.陰性の外邪である。
誤り。寒邪は陰邪であり陽気を損傷します。
覚えるポイント
- 寒邪=陰邪(陽気を損傷)、収引性(攣急と無汗)、凝滞性(激しい固定性の痛み、温めると軽減)。
- 風邪=軽揚性、開泄性、遊走性(善行数変)、動揺性、百病の長。
- 湿=重濁と粘滞、暑=炎熱と昇散、燥=津液を損傷し肺を損なう、火=炎上、動血、生風。