17PM99|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
四肢の冷え、胸痛、畏寒を示す病証はどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
陽虚の病証を臓別に判断する問題です。胸痛という症状がどの臓を指すかが決め手になります。
解説
設問の症状は、**四肢の冷え、胸痛、畏寒(寒がり)**の3つです。
まず、四肢の冷えと畏寒は、陽気が不足して身体を温められない状態、すなわち陽虚を示します。この時点で、陰虚(虚熱を生じ、ほてりや盗汗を示す)である肝陰虚と腎陰虚は否定されます。
次に、胸痛という部位の情報が決め手になります。胸部は心の位置であり、心の陽気が不足すると、血を推し動かす力が弱まって胸部の気血が滞り、胸痛や胸苦しさ(胸悶)を生じます。これが心陽虚です。したがって正答は3です。
心陽虚の症状をまとめます。動悸、息切れ、胸悶と胸痛、四肢の冷え、畏寒、自汗、顔面蒼白またはやや暗い、舌質は淡または淡紫で胖大、脈は沈遅または結代です。心陽虚が極まると心陽暴脱となり、大汗、四肢厥冷、意識障害をきたす危険な状態となります。現代医学的には、心不全や虚血性心疾患に相当する病態がこれに含まれることがあり、胸痛を訴える患者では、まず心疾患を念頭に置いて医療機関での評価を勧める判断が不可欠です。
他の選択肢を確認します。
肝陰虚は、肝の陰血が不足した状態で、目の乾燥とかすみ、めまい、耳鳴、脇肋部の隠痛、手足のふるえ、五心煩熱、舌紅少苔、脈弦細数がみられます。冷えではなくほてりが特徴です。
腎陰虚は、腎の陰液が不足した状態で、腰膝のだるさ、めまい、耳鳴、五心煩熱、盗汗、口や咽の乾き、舌紅少苔、脈細数がみられます。こちらもほてりが中心です。
脾陽虚は、脾の陽気が不足した状態で、食欲不振、腹部の冷えと隠痛(温めると軽減)、水様便、四肢の冷え、むくみ、舌淡胖で白苔、脈沈遅無力がみられます。冷えは共通しますが、症状の中心は腹部と消化器であり、胸痛は説明できません。
選択肢の確認
1.肝陰虚
誤り。目の症状やほてりが中心で、冷えは特徴ではありません。
2.腎陰虚
誤り。腰膝のだるさとほてり、盗汗が中心です。
3.心陽虚
正しい。胸痛と冷え、畏寒がそろい、心陽虚と判断できます。
4.脾陽虚
誤り。冷えは共通しますが、腹部と消化器の症状が中心です。
覚えるポイント
- 心陽虚=動悸、息切れ、胸悶と胸痛、四肢の冷え、畏寒、脈沈遅または結代。
- 陽虚=虚寒(冷え、寒がり)、陰虚=虚熱(ほてり、五心煩熱、盗汗、舌紅少苔)。
- 胸痛では心疾患を念頭に置き、医療機関での評価を勧める。