19AM29|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
平衡聴覚器について正しい記述はどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
内耳と中耳の構造と働きを問う問題です。耳小骨の順序、前庭の中身、リンパの振動経路、半規管の役割を確認します。
解説
各選択肢を検討します。
耳小骨は、鼓膜側からツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨の順に連なります。したがって鼓膜の振動は最初にツチ骨に伝わり、キヌタ骨を経てアブミ骨に至り、アブミ骨底が**前庭窓(卵円窓)を振動させて内耳に伝えます。「最初にアブミ骨に伝わる」は誤りです。なお、耳小骨には鼓膜張筋(三叉神経支配)とアブミ骨筋(顔面神経支配)**が付き、大きな音から内耳を守る働きをします。
骨迷路は、前から蝸牛、前庭、半規管の3部からなります。このうち前庭の中には、卵形嚢と球形嚢という2つの膜迷路の袋があります。したがって「卵形嚢は前庭にある」は正しく、正答は2です。卵形嚢と球形嚢の内面には**平衡斑(耳石器)**があり、**平衡砂(耳石)**が乗ることで、**直線加速度と頭部の傾き(重力方向)**を感知します。
蝸牛の中では、アブミ骨によって生じた振動が、前庭窓→前庭階→蝸牛頂→鼓室階→蝸牛窓(正円窓)という順に伝わります。したがって「鼓室階から前庭階へ」は方向が逆で誤りです。この過程で基底板が振動し、コルチ器の有毛細胞が興奮して、蝸牛神経に伝えられます。高い音は蝸牛の基部で、低い音は頂部で感知されます。
半規管は、前(上)半規管、後半規管、外側(水平)半規管の3つが互いに直交して並び、膨大部稜で回転加速度を感知します。**身体の傾き(直線加速度)を感知するのは平衡斑(耳石器)**です。したがって記述は誤りです。
選択肢の確認
1.鼓膜の振動は最初にアブミ骨に伝わる。
誤り。ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨の順に伝わります。
2.卵形嚢は前庭にある。
正しい。球形嚢とともに前庭内にあります。
3.蝸牛管内の振動は鼓室階から前庭階へと伝わる。
誤り。前庭階から鼓室階へ伝わります。
4.半規管は身体の傾きを感知する。
誤り。半規管は回転加速度、傾きは平衡斑が感知します。
覚えるポイント
- 耳小骨=ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨の順。アブミ骨底が前庭窓に接する。
- 前庭=卵形嚢と球形嚢(平衡斑)で直線加速度と傾き、半規管=膨大部稜で回転加速度。
- 蝸牛の振動=前庭窓→前庭階→蝸牛頂→鼓室階→蝸牛窓。聴覚受容器はコルチ器。