19AM31|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
血液への添加で溶血を起こすのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
溶血が起こる条件を問う問題です。赤血球の内外の浸透圧の差という視点で考えます。
解説
溶血は、赤血球の膜が破れてヘモグロビンが外に出てしまう現象です。最も基本的な原因は、赤血球を**低張液(浸透圧の低い液)**に入れることです。
赤血球を蒸留水のような低張液に入れると、浸透圧の差により水が赤血球の中へ流れ込み、赤血球が膨張して球状になり、やがて膜が破れて溶血します。したがって正答は2です。逆に、高張液に入れると水が外へ出て赤血球は縮み、**萎縮(金平糖状)**になります。
生体で赤血球を安全に扱うには、血漿と同じ浸透圧の等張液を用います。代表が**生理食塩水(0.9パーセント塩化ナトリウム水溶液)**です。輸液や洗浄に蒸留水をそのまま用いないのはこのためです。
他の選択肢を確認します。
ナトリウムイオンは細胞外液の主要な陽イオンで、適切な濃度であれば浸透圧を保つ側に働きます。それ自体を加えることが溶血を起こす要因ではありません。
カルシウムイオンは第Ⅳ凝固因子であり、血液凝固に必須です。採血した血液にクエン酸ナトリウムやEDTAを加えるとカルシウムイオンが取り除かれて凝固が止まり、逆にカルシウムを加えれば凝固が進みますが、溶血とは関係しません。
トロンビンは、フィブリノゲンをフィブリンに変える酵素で、凝固の最終段階を担います。凝固を起こしますが、赤血球膜を破る溶血とは別の現象です。
なお、そのほかの溶血の原因として、不適合輸血、自己免疫性溶血性貧血、機械的破壊(人工弁など)、細菌毒素、化学物質、遺伝性球状赤血球症があります。溶血が起こると間接ビリルビンの上昇による黄疸、貧血、ヘモグロビン尿がみられます。
選択肢の確認
1.ナトリウムイオン
誤り。細胞外液の主要陽イオンであり、溶血の原因ではありません。
2.蒸留水
正しい。低張液のため水が赤血球内へ流入し膜が破れます。
3.カルシウムイオン
誤り。血液凝固に関与する因子であり、溶血とは関係しません。
4.トロンビン
誤り。フィブリン形成を担う酵素で、凝固を起こします。
覚えるポイント
- 低張液(蒸留水)=赤血球が膨張して溶血、高張液=赤血球が萎縮。
- 等張液の代表は生理食塩水(0.9パーセント塩化ナトリウム)。
- 溶血と凝固は別の現象。溶血では間接ビリルビン上昇による黄疸がみられる。