19AM37|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
集合管において水の再吸収を促すホルモンはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
腎臓に作用するホルモンを問う問題です。どこに作用して何を再吸収させるかで区別します。
解説
**バゾプレッシン(抗利尿ホルモン、ADH)**は、視床下部で産生され、下垂体後葉から分泌されるホルモンです。集合管(および遠位尿細管の後半)に作用して水チャネル(アクアポリン)を増やし、水の再吸収を促進します。その結果、尿量が減少し尿は濃縮され、体液量が保たれて血漿浸透圧が下がります。したがって正答は3です。
バゾプレッシンの分泌は、血漿浸透圧の上昇や循環血液量の減少によって促進されます。分泌が不足すると尿崩症となり、大量の希釈された尿(1日数リットルから10リットル以上)と強い口渇をきたします。逆に過剰になると**ADH不適合分泌症候群(SIADH)**となり、低ナトリウム血症を生じます。なおバゾプレッシンには血管収縮作用もあります。
他の選択肢を確認します。
アドレナリンは副腎髄質から分泌され、心拍数増加、血圧上昇、気管支拡張、血糖上昇をもたらします。腎臓では血管収縮により糸球体濾過量を変化させますが、集合管での水の再吸収を直接促すホルモンではありません。
**心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)**は、心房が伸展されたとき(循環血液量の増加時)に心房から分泌され、ナトリウムと水の排泄を促して尿量を増やし、血管を拡張させて血圧を下げます。バゾプレッシンとは逆の働きです。
**パラソルモン(副甲状腺ホルモン)**は副甲状腺から分泌され、血中カルシウム濃度を上げるホルモンです。骨からのカルシウム溶出、腎尿細管でのカルシウム再吸収の促進とリンの排泄促進、活性型ビタミンDの生成促進による腸管からのカルシウム吸収の増加を行います。水の再吸収とは関係しません。
なお、**アルドステロン(副腎皮質球状層)**は、遠位尿細管と集合管でナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を促し、結果として水の保持にも働きます。
選択肢の確認
1.アドレナリン
誤り。副腎髄質のホルモンで、集合管の水再吸収を直接促しません。
2.心房性ナトリウム利尿ペプチド
誤り。ナトリウムと水の排泄を促し、尿量を増やします。
3.バゾプレッシン
正しい。集合管で水の再吸収を促進します。
4.パラソルモン
誤り。血中カルシウム濃度を上げるホルモンです。
覚えるポイント
- バゾプレッシン(ADH)=下垂体後葉、集合管で水の再吸収を促進。不足で尿崩症。
- ANP=心房から分泌、ナトリウムと水の排泄を促進。バゾプレッシンと逆方向。
- アルドステロン=ナトリウム再吸収とカリウム排泄。パラソルモン=血中カルシウム上昇。