19AM44|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
内因性発痛物質はどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正答
4
この問題のポイント
発痛物質と鎮痛物質を区別する問題です。痛みを起こす側か、抑える側かで分けます。
解説
内因性発痛物質は、組織が損傷されたり炎症が起きたりしたときに体内で産生され、侵害受容器を刺激または感作して痛みを引き起こす物質です。代表は次のとおりです。ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、カリウムイオン、水素イオン(酸)、アセチルコリン、そしてプロスタグランジンです。
このうちブラジキニンは、最も強力な発痛物質として知られ、血漿中のキニノーゲンからカリクレインの作用で生じます。侵害受容器を直接刺激して痛みを起こすほか、血管拡張と血管透過性の亢進をもたらします。したがって正答は4です。
なおプロスタグランジンは、それ自体の発痛作用は強くないものの、侵害受容器を感作してブラジキニンなどに対する反応性を高めることで、炎症時の痛みを増強します。非ステロイド性抗炎症薬はプロスタグランジンの産生を抑えることで鎮痛作用を示します。
他の選択肢は、いずれも鎮痛に働く物質です。
モルヒネは、ケシから得られる**外因性のオピオイド(麻薬性鎮痛薬)**で、脳と脊髄のオピオイド受容体に作用して強力な鎮痛をもたらします。がん性疼痛の緩和に用いられます。
ベータエンドルフィンは、内因性オピオイドペプチドの一つで、下垂体や視床下部などで産生され、強い鎮痛作用を示します。鍼刺激、特に低頻度の鍼通電による鎮痛に関与するとされます。
エンケファリンも内因性オピオイドペプチドで、脊髄後角などに存在し、痛覚伝達を抑制します。
内因性オピオイドには、このほかダイノルフィンがあります。これらは下行性痛覚抑制系とともに、鍼灸による鎮痛の主要な機序として重要です。
選択肢の確認
1.モルヒネ
誤り。外因性のオピオイドで強力な鎮痛薬です。
2.βエンドルフィン
誤り。内因性オピオイドで鎮痛に働きます。
3.エンケファリン
誤り。内因性オピオイドで痛覚伝達を抑制します。
4.ブラジキニン
正しい。最も強力な内因性発痛物質です。
覚えるポイント
- 内因性発痛物質=ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、カリウムイオン、水素イオン、アセチルコリン。
- プロスタグランジンは侵害受容器を感作して痛みを増強。
- 鎮痛側=内因性オピオイド(ベータエンドルフィン、エンケファリン、ダイノルフィン)と下行性痛覚抑制系。