19AM48|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
植物状態について正しい記述はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
植物状態と脳死の違いを問う問題です。脳幹の機能が残っているかどうかが決定的な違いです。
解説
**植物状態(遷延性意識障害)**は、大脳の広範な障害により意識と認知機能が失われている一方、脳幹の機能は保たれている状態です。したがって正答は4です。
脳幹が働いているため、次のような特徴がみられます。自発呼吸があるため人工呼吸器を必ずしも必要としません。心拍と血圧が保たれ、体温調節も行われます。対光反射や角膜反射などの脳幹反射が残っています。睡眠と覚醒のリズムがあり、目を開けていることがあります。しかし、意思の疎通はできず、意味のある反応や自発的な意図をもった動作はみられません。
これに対し脳死は、大脳だけでなく脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止した状態です。自発呼吸が消失するため人工呼吸器が不可欠であり、脳幹反射はすべて消失します。日本の法的脳死判定では、深昏睡、瞳孔散大固定、脳幹反射の消失、平坦脳波、自発呼吸の消失の5項目を確認し、6時間以上(小児では24時間以上)あけて2回行います。脳死は臓器移植法において人の死として扱われます。
このように、植物状態と脳死はまったく異なる状態であり、混同してはなりません。植物状態は脳死ではなく、回復する例もあります。
なお、**閉じ込め症候群(ロックトインシンドローム)**は、橋の腹側の障害により全身の運動が失われる一方、意識は清明で眼球の垂直運動や瞬きによる意思疎通が可能な状態であり、植物状態とは区別されます。
選択肢の確認
1.脳死状態である。
誤り。脳死とはまったく異なる状態です。
2.人工呼吸器が必要である。
誤り。自発呼吸が保たれるため必ずしも必要としません。
3.意思の疎通ができる。
誤り。意識と認知機能が失われ意思の疎通はできません。
4.脳幹の機能は保たれている。
正しい。自発呼吸、循環、体温調節、脳幹反射が残ります。
覚えるポイント
- 植物状態=大脳の障害、脳幹は保たれる。自発呼吸あり、脳幹反射あり、意思疎通は不能。
- 脳死=脳幹を含む全脳の機能停止。自発呼吸なし、脳幹反射消失、平坦脳波。
- 閉じ込め症候群は意識清明で、眼球運動により意思疎通が可能。