19AM56|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
頻脈がみられるのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
頻脈をきたす病態を問う問題です。体が何を代償しようとしているかを考えます。
解説
鉄欠乏性貧血は、鉄の不足によりヘモグロビンが十分につくれず、小球性低色素性貧血をきたす、最も頻度の高い貧血です。原因は、月経過多、消化管出血(胃癌、大腸癌、痔核)、妊娠、成長期の需要増大、偏食などです。
貧血では、血液が運べる酸素量が減るため、組織への酸素供給を保とうとして心拍出量を増やす代償が働きます。心拍出量は1回拍出量と心拍数の積であるため、心拍数が増えて頻脈となります。したがって正答は1です。あわせて、動悸、息切れ、易疲労感、めまい、顔面蒼白、眼瞼結膜の蒼白がみられ、鉄欠乏に特有の所見として匙状爪(スプーンネイル)、口角炎、舌炎、嚥下障害(プランマー・ビンソン症候群)、異食症が知られています。
他の選択肢を確認します。
糖尿病では、進行して自律神経障害をきたすと、迷走神経の障害により安静時頻脈がみられることがありますが、糖尿病そのものの代表的な所見として頻脈が挙げられるわけではありません。この段階ではむしろ、起立性低血圧、無自覚性低血糖、無痛性心筋梗塞、発汗異常が特徴とされます。
バージャー病(閉塞性血栓血管炎)は、若い男性の喫煙者に多い四肢の中小動脈の炎症性閉塞疾患で、間欠跛行、安静時痛、冷感、レイノー現象、潰瘍や壊疽をきたします。特徴的なのは末梢動脈の拍動の減弱または消失であり、頻脈は主症状ではありません。
甲状腺機能低下症では、代謝が低下するため徐脈となります。あわせて、寒がり、体重増加、便秘、皮膚の乾燥、脱毛、嗄声、無気力、粘液水腫、腱反射の弛緩相の遅延がみられます。頻脈をきたすのは逆の甲状腺機能亢進症(バセドウ病)であり、こちらでは頻脈、体重減少、発汗過多、手指振戦、眼球突出、甲状腺腫がみられます。
選択肢の確認
1.鉄欠乏性貧血
正しい。酸素運搬を代償するため心拍数が増加します。
2.糖尿病
誤り。自律神経障害では起立性低血圧などが特徴です。
3.バージャー病
誤り。末梢動脈の拍動減弱と間欠跛行が特徴です。
4.甲状腺機能低下症
誤り。代謝低下により徐脈となります。
覚えるポイント
- 貧血では代償性に頻脈となる。動悸、息切れ、易疲労、顔面蒼白。
- 鉄欠乏性貧血=小球性低色素性、匙状爪、口角炎、舌炎、異食症。
- 甲状腺機能低下症は徐脈、甲状腺機能亢進症は頻脈。