19AM59|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
乏尿をきたす疾患はどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
乏尿をきたす病態を問う問題です。腎臓に血液が届いているかという視点で考えます。
解説
乏尿は、1日尿量が400ミリリットル未満の状態をいいます。さらに少なく100ミリリットル未満になると無尿です。逆に、1日2,500ミリリットル以上を多尿といいます。
心不全では、心臓のポンプ機能が低下して心拍出量が減少します。その結果、腎臓へ流れる血液量が減り、糸球体濾過量が低下して乏尿となります。これは腎前性の機序です。同時に、体は循環血液量を保とうとしてレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系を活性化させ、ナトリウムと水を貯留します。この結果、浮腫、体重増加、肺うっ血、頸静脈怒張が生じます。したがって正答は3です。心不全ではとくに夜間尿がみられることも特徴で、臥位になると下肢に貯留していた体液が戻り腎血流が増えるためです。
乏尿をきたす他の原因も整理します。腎前性は、脱水、大量出血、広範囲熱傷、ショック、心不全など。腎性は、急性糸球体腎炎、急性尿細管壊死、薬剤性腎障害など。腎後性は、尿路結石、前立腺肥大症、前立腺癌、骨盤内腫瘍による尿路の閉塞です。
他の選択肢を確認します。
脂質異常症は、LDLコレステロールや中性脂肪の高値、HDLコレステロールの低値を指す状態で、動脈硬化の危険因子ですが、それ自体が尿量を変化させることはありません。
尿崩症は、**バゾプレッシン(抗利尿ホルモン)の分泌不足(中枢性)または腎臓の反応低下(腎性)**により、集合管で水が再吸収されず、**大量の希釈された尿(多尿)**と強い口渇をきたします。乏尿とは逆です。
高カルシウム血症では、腎の集合管におけるバゾプレッシンへの反応が低下し、多尿と口渇が生じます。あわせて、筋力低下、便秘、意識障害、悪心をきたします。
選択肢の確認
1.脂質異常症
誤り。尿量に直接影響しません。
2.尿崩症
誤り。多尿をきたします。
3.心不全
正しい。心拍出量の低下により腎血流が減り乏尿となります。
4.高カルシウム血症
誤り。多尿と口渇をきたします。
覚えるポイント
- 乏尿=1日400ミリリットル未満、無尿=100ミリリットル未満、多尿=2,500ミリリットル以上。
- 乏尿の原因=腎前性(脱水、出血、熱傷、ショック、心不全)、腎性、腎後性(尿路閉塞)。
- 多尿=尿崩症、糖尿病、高カルシウム血症。心不全では夜間尿もみられる。