19AM63|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
頸部後縦靱帯骨化症について誤っている記述はどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
後縦靱帯骨化症の基本を問う問題です。原因が特定されていない指定難病である点が要点です。
解説
後縦靱帯骨化症は、椎体の後面を縦に走る後縦靱帯が骨化して肥厚し、脊柱管内で脊髄を圧迫する疾患です。頸椎に最も多く発生します。
原因は明らかにされていません。遺伝的素因が関与すると考えられ、糖尿病や肥満、加齢との関連も指摘されていますが、カルシウムの過剰摂取が原因であるとはされていません。したがって誤っている記述はこれであり、正答は2です。日本を含む東アジアに多く、指定難病とされています。
好発年齢は50歳以上で、男性にやや多くみられます。したがって「50歳以上に多い」は正しい記述です。
症状は、初期には頸部痛や肩こり、上肢のしびれとして現れ、進行すると脊髄症状が加わります。上肢では巧緻運動障害(箸が使いにくい、ボタンがかけにくい)、下肢では痙性歩行、つっぱり感、歩行障害が生じ、さらに進むと痙性四肢麻痺や膀胱直腸障害に至ります。上位運動ニューロン障害であるため、腱反射は亢進し、バビンスキー徴候などの病的反射が陽性となります。したがって「進行性の痙性四肢麻痺を起す」は正しい記述です。
生活指導として、転倒予防が極めて重要です。脊柱管が狭くなっているため、転倒や頸部への軽微な外傷でも一気に脊髄損傷をきたし、四肢麻痺に至る危険があります。そのため、転倒しやすい場所を避ける、手すりを使う、頸部に急激な力が加わる動作(強い後屈や回旋、スポーツでの接触)を避けるよう指導します。したがって「転倒予防のための生活指導を行う」は正しい記述です。
施術にあたっても、頸部への強い伸展、回旋、牽引を伴う操作は避けるべきであり、脊髄症状が疑われる場合は速やかに医療機関の受診を勧めます。
選択肢の確認
1.50歳以上に多い。
正しい記述。中高年に好発します。
2.原因はカルシウムの過剰摂取である。
誤っている記述であり、これが正答。原因は明らかではありません。
3.進行性の痙性四肢麻痺を起す。
正しい記述。脊髄圧迫により腱反射亢進と痙性麻痺をきたします。
4.転倒予防のための生活指導を行う。
正しい記述。軽微な外傷で脊髄損傷をきたす危険があります。
覚えるポイント
- 後縦靱帯骨化症=原因不明の指定難病、頸椎に最多、50歳以上に好発。
- 症状=上肢の巧緻運動障害、下肢の痙性歩行、腱反射亢進、病的反射陽性、進行で四肢麻痺と膀胱直腸障害。
- 転倒と頸部への外力を避ける生活指導が重要。施術でも頸部の強い伸展・回旋・牽引は避ける。