19AM66|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
麻痺性イレウスの症状で誤っているのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
イレウス(腸閉塞)の症状を問う問題です。腸の内容が肛門側へ進まないという状態から症状を導きます。
解説
イレウスは、腸管の内容が肛門側へ進まなくなる状態です。大きく2つに分けられます。
機械的イレウスは、物理的な閉塞によるもので、癒着、腫瘍、ヘルニア嵌頓、腸重積などが原因です。血行障害を伴わない**単純性(閉塞性)と、絞扼により血行障害を伴う複雑性(絞扼性)**に分かれ、絞扼性は激烈な痛みと急速な全身状態の悪化をきたす緊急疾患です。
機能的イレウスは、腸管の運動障害によるもので、その代表が麻痺性イレウスです。開腹術後、腹膜炎、急性膵炎、脊髄損傷、電解質異常(低カリウム血症)、薬剤などが原因で、腸管の蠕動運動が停止します。
麻痺性イレウスの症状は次のとおりです。腹部膨満感が著明で、腸管にガスと液体が貯留します。腹痛は、機械的イレウスの疝痛(波のある強い痛み)と異なり、持続的で鈍い痛みが中心です。嘔吐は、内容が停滞して逆流するために生じます。そして排ガスと排便の停止が特徴です。
したがって、下痢は麻痺性イレウスの症状として誤りであり、正答は3です。腸内容が進まないのですから、便が出ること自体が起こりません。
診察所見も重要です。麻痺性イレウスでは腸雑音(蠕動音)が減弱または消失します。これに対し、機械的イレウスでは金属音を伴う亢進した腸雑音が聴取されます。腹部単純エックス線では、**鏡面像(ニボー)**と腸管の拡張がみられます。
施術者としては、強い腹部膨満、嘔吐、排ガスと排便の停止を認めた場合、緊急性のある病態として速やかに医療機関の受診を勧める必要があります。
選択肢の確認
1.嘔吐
みられる。腸内容が停滞して逆流するために生じます。
2.腹痛
みられる。持続的で鈍い痛みが中心です。
3.下痢
みられず、これが正答。排ガスと排便が停止します。
4.膨満感
みられる。ガスと液体の貯留により著明となります。
覚えるポイント
- イレウス=機械的(単純性と絞扼性)と機能的(麻痺性)。
- 麻痺性イレウス=腹部膨満、持続的な鈍痛、嘔吐、排ガスと排便の停止、腸雑音は減弱・消失。
- 機械的イレウス=疝痛と金属音を伴う腸雑音の亢進。画像でニボー。緊急受診を勧める。