19AM77|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例について、問いに答えよ。8歳の男児。サッカー中に前方へ転倒、肘をついて倒れた。直後から右肘の疼痛、運動障害があり、次第に腫脹も強くなってきた。明らかな皮膚の外傷はない。まず考えるべき病態はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
外傷後の肘の症状から病態を推定する症例問題です。受傷機転と、その後の経過を手がかりにします。
解説
8歳の男児が、サッカー中に前方へ転倒し、肘をついて倒れたという明確な受傷機転があります。直後から右肘の疼痛と運動障害があり、次第に腫脹も強くなってきたという経過です。
まず考えるべきは外傷性骨折です。理由は次のとおりです。
第一に、明確な外力(転倒し肘をつく)があり、その直後から症状が出現していることです。骨折は外力が加わった瞬間に生じるため、この時間的な一致が重要な手がかりになります。
第二に、疼痛に加えて運動障害を伴うことです。骨の連続性が断たれると、その部位で支持性が失われるため動かせなくなります。
第三に、腫脹が次第に強くなることです。骨折では骨髄と骨膜からの出血により、時間とともに腫脹が増強します。皮膚の外傷がないことから、**皮下骨折(閉鎖骨折)**と考えられます。
したがって正答は4です。骨折の一般症状としては、疼痛(自発痛、圧痛、限局性圧痛)、腫脹、機能障害があり、固有症状としては変形(転位)、異常可動性、軋轢音があります。
他の選択肢を確認します。
捻挫は、関節に生理的範囲を超えた運動が強制され、靱帯や関節包が損傷するものです。腫脹と疼痛を生じますが、骨折を否定できない以上、まず骨折を考えるべきです。
脱臼は、関節面の正常な位置関係が失われた状態です。小児の肘では**肘内障(橈骨頭の亜脱臼)**が有名ですが、これは手を引っ張られて生じるもので、転倒による受傷機転とは異なります。
疲労骨折は、繰り返しの軽微な負荷が同じ部位に加わって生じるもので、明確な外傷歴がなく、徐々に痛みが出るのが特徴です。一度の転倒で生じるものではありません。
施術者としては、明確な外傷後に強い痛み、腫脹、運動障害を認めた場合、骨折を疑って医療機関での画像診断を勧めることが必須です。
選択肢の確認
1.捻挫
誤り。靱帯損傷ですが、この経過ではまず骨折を考えます。
2.脱臼
誤り。小児の肘内障は手を引っ張られて生じ、受傷機転が異なります。
3.疲労骨折
誤り。繰り返しの負荷により徐々に生じるもので、明確な外傷歴はありません。
4.外傷性骨折
正しい。明確な外力の直後から疼痛、運動障害、増強する腫脹がみられます。
覚えるポイント
- 骨折の一般症状=疼痛、腫脹、機能障害。固有症状=変形、異常可動性、軋轢音。
- 明確な外傷歴の直後からの症状は骨折を疑う。疲労骨折は外傷歴がなく徐々に発症。
- 骨折を疑ったら医療機関での画像診断を勧める。