19PM119|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者に対する奇経病証の治療で適切な経脈はどれか。「30歳の男性。昨日から背部が強ばり、後頭部に痛みがある。吐き気はない。」
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
奇経病証を症状から判断する問題です。背部正中と後頭部を通る奇経はどれかを考えます。
解説
30歳の男性で、昨日から背部が強ばり、後頭部に痛みがある、吐き気はないという経過です。
督脈の走行を確認します。小腹の下(会陰部)に起こり、脊柱の内(背部正中)を上行し、項部を経て後頭部から頭頂を越え、前額から鼻柱を下って**上唇(齦交)**に終わります。「督」は「統べる」の意で、すべての陽経を統率することから陽脈の海と呼ばれます。
督脈の病証は、この走行に沿って現れます。代表的なのが「脊強反折(背中が強ばって反り返る)」であり、そのほか項背部のこわばりと痛み、後頭部痛、頭重、めまい、腰痛、痔などがみられます。設問の「背部の強ばりと後頭部痛」はこれに一致するため、正答は1です。治療には、督脈の八脈交会穴である後渓や、大椎、風府、身柱、命門などが用いられます。
他の選択肢を確認します。
任脈は、会陰部に起こり体幹の前面正中を上行して下唇の下(承漿)に至ります。すべての陰経を統率することから陰脈の海と呼ばれ、生殖と妊娠に深く関わります。病証は、下腹部の腫塊、疝気、帯下、月経不順、不妊などであり、背部の症状ではありません。八脈交会穴は列欠です。
衝脈は、会陰部から起こり、腹部を腎経に沿って上行し、胸中に散じます。十二経の海、血海と呼ばれ、月経と深く関わります。病証は、気が逆上して腹部が急痛する(逆気裏急)、月経異常、不妊などです。八脈交会穴は公孫です。
帯脈は、腰を帯のように一周する唯一の横行する経脈で、上下に走る諸経を束ねます。病証は、腹部の膨満、腰が水中に座っているようにだるく冷える、帯下などです。八脈交会穴は足臨泣です。
なお、吐き気がないという記述は、悪心や嘔吐を伴う頭蓋内疾患などを除外する情報として読み取れます。
選択肢の確認
1.督脈
正しい。背部正中から後頭部を上行し、脊強反折や項背部の症状を示します。
2.任脈
誤り。体幹前面正中を上行し、生殖に関わる病証を示します。
3.衝脈
誤り。血海と呼ばれ、月経異常や気の逆上に関わります。
4.帯脈
誤り。腰を一周し、腹部膨満や腰のだるさ、帯下に関わります。
覚えるポイント
- 督脈=背部正中、陽脈の海。病証は脊強反折、項背部のこわばり、後頭部痛、腰痛。八脈交会穴は後渓。
- 任脈=前面正中、陰脈の海、生殖に関わる。八脈交会穴は列欠。
- 衝脈=血海(公孫)、帯脈=腰を一周(足臨泣)。