19PM122第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問

過去問題(未分類)第19回午後(科目未分類)

次の文で示す患者の病証について治療対象となる経脈で適切なのはどれか。「7歳の男児。夜間の遺尿がある。食欲不振があり、泥状便が観察される。舌質は淡、脈は沈細弱。」

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

小児の夜尿を東洋医学的にとらえる症例問題です。消化器症状が同時にあることが治療対象を決めます。

解説

7歳の男児で、次の所見があります。

夜間の遺尿(夜尿)があります。尿の固摂はが主に担うため、小児の夜尿はまず腎気の未熟や不足を考えます。

食欲不振があり、泥状便が観察されるという点が重要です。これは脾の運化失調を明確に示す所見です。脾は飲食物を消化吸収して水穀の精微をつくり、また水湿を運化します。この働きが低下すると、食欲不振と軟便・泥状便が生じます。

舌質は淡、脈は沈細弱です。舌質が淡いのは気血の不足を、脈が沈で細く弱いのは裏の虚証を示します。

これらを総合すると、脾気虚を中心とした脾腎の虚と判断できます。とくに、食欲不振と泥状便という消化器症状が明確に示されていることから、治療対象となる経脈は足の太陰脾経が最も適切であり、正答は3です。

脾を補うことには二重の意味があります。第一に、脾は気血生化の源であるため、脾を健やかにすれば腎を含む全身の気が充実します。第二に、脾は水湿を運化するため、水液代謝の調節そのものに関わります。取穴では、脾兪、章門、太白、三陰交、足三里、中脘などを用い、あわせて腎兪、関元、気海、中極、次髎といった腎と膀胱に働きかける穴を組み合わせます。灸を併用することが多くあります。

他の選択肢を確認します。

手の少陰心経は、心に属し、血脈と神志を主る経脈です。動悸、不眠、健忘、心煩といった症状に対応します。

手の太陽小腸経は、小腸に属し、受盛化物と泌別清濁に関わりますが、本症例で示された脾の運化失調を直接扱う経脈ではありません。

足の少陽胆経は、胆に属し、決断を主り、疏泄を助ける経脈です。口苦、脇肋部の張り、側頭部痛といった症状に対応します。

なお、小児の夜尿では、器質的疾患(尿路奇形、糖尿病、尿崩症、てんかん)を否定しておくこと、叱らずに見守るという保護者への助言も大切です。

選択肢の確認

1.手の少陰経
誤り。心に属し、動悸や不眠に対応します。

2.手の太陽経
誤り。示された脾の運化失調を直接扱う経脈ではありません。

3.足の太陰経
正しい。食欲不振と泥状便という脾の運化失調に対応します。

4.足の少陽経
誤り。口苦や脇肋部の症状に対応します。

覚えるポイント

  • 食欲不振と泥状便=脾の運化失調。舌淡と沈細弱の脈は裏の虚証
  • 脾は気血生化の源かつ水湿を運化するため、脾を補うことが尿の固摂にもつながる。
  • 取穴=脾兪、太白、三陰交、足三里、中脘腎兪、関元、中極、次髎。灸を併用。
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