19PM125|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者の病証について難経六十九難の治療原則に基づく治療穴はどれか。「46歳の女性。食欲不振で食後に膨満感がある。体がだるく、横になりたがる。」
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
脾気虚と判断し、難経六十九難を適用する症例問題です。脾の母は何かを答えます。
解説
46歳の女性で、次の所見があります。
食欲不振で食後に膨満感があるという点は、脾の運化失調を端的に示します。飲食物を消化して精微をつくる働きが低下しているため、食後に胃腸に負担が残り膨満します。
体がだるく、横になりたがるという点は、脾気虚による倦怠感です。脾は肌肉と四肢を主るため、脾気が不足すると四肢に力が入らず、身体が重だるくなります。「食後に眠くなる、横になりたがる」というのは脾虚に特徴的な訴えです。
したがって病証は脾気虚と判断できます。
次に難経六十九難を適用します。原則は「虚するものはその母を補い、実するものはその子を瀉す」です。脾は土に属し、土を生じる母は火、すなわち心です。
したがって、脾経の母穴(火穴)、または**母経である心経の本穴(火穴)を補います。陰経の五兪穴は井木、滎火、兪土、経金、合水の順に配当されるため、脾経の火穴は滎火穴である大都です。したがって正答は2です。大都は、足の第1指、第1中足指節関節の遠位内側陥凹部、赤白肉際にあります。あわせて、母経である心経の本穴、すなわち少府(滎火穴)**を補うこともあります。
他の選択肢を確認します。
太淵は手の太陰肺経の兪土穴かつ原穴であり、肺経の本穴にあたります。**肺虚(肺気虚)**のときに、母である脾(土)の性質をもつこの穴を補う、という使い方をします。
復溜は足の少陰腎経の経金穴であり、腎虚のときに母である肺(金)の性質をもつこの穴を補います。
曲泉は足の厥陰肝経の合水穴であり、肝虚のときに母である腎(水)の性質をもつこの穴を補います。
このように、「どの臓が虚しているか」を決めれば、その母の五行に属する穴を機械的に選べるという構造を理解しておくと、この形式の問題は確実に得点できます。
選択肢の確認
1.太淵
誤り。肺経の兪土穴で、肺虚のときに補う本穴です。
2.大都
正しい。脾経の滎火穴で、脾虚に対して母である火を補います。
3.復溜
誤り。腎経の経金穴で、腎虚のときに補います。
4.曲泉
誤り。肝経の合水穴で、肝虚のときに補います。
覚えるポイント
- 難経六十九難=虚すれば母を補い、実すれば子を瀉す。
- 脾(土)の母は心(火)→脾経の滎火穴である大都、母経の本穴は少府。
- 肺虚は太淵、腎虚は復溜、肝虚は曲泉、心虚は少衝(井木穴)。陰経は井木、滎火、兪土、経金、合水。