19PM126第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問

過去問題(未分類)第19回午後(科目未分類)

骨にあいている孔に気づかず膻中穴へ深く直刺した場合、損傷の可能性の最も高い器官はどれか。

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

膻中の深部に何があるかを問う、安全管理の問題です。胸骨孔という先天的な変異が鍵になります。

解説

膻中は、**前胸部、前正中線上、第4肋間と同じ高さ(両乳頭を結ぶ線の中点)**にある任脈の経穴です。八会穴の気会であり、心包の募穴でもあります。

この部位の直下には胸骨体があります。通常であれば、鍼は胸骨に当たってそれ以上進みません。そのため、膻中は比較的安全な部位と考えられがちです。

しかし、胸骨には先天的に小さな孔(胸骨孔、胸骨裂孔)が存在することがあります。これは胸骨が発生の過程で左右から癒合する際に、完全に閉じずに残った孔で、一定の割合の人にみられるとされます。体表から触れても分からないことが多く、エックス線写真でも見落とされることがあります。

この胸骨孔に気づかず、膻中から深く直刺すると、鍼が孔を通り抜けて胸骨の後方に達します。胸骨体のすぐ後方(第4肋間の高さ)にあるのは心臓(右心室の前面)と心膜です。したがって、心臓を損傷して心タンポナーデを起こし、致命的となる危険があります。実際に、この機序による重篤な事故が報告されています。したがって正答は4です。

このため、前胸部正中の取穴では、深い直刺を避け、皮下に沿わせる横刺(水平刺)や浅い斜刺とすることが安全管理の原則とされています。膻中に限らず、中庭、玉堂、紫宮、華蓋など胸骨上の経穴すべてに同じ配慮が必要です。

他の選択肢も確認します。は前胸部で正中線から外側に位置するため、正中線上の膻中の直下ではありません。ただし、中府や雲門、乳根、期門など外側の胸部の経穴では気胸の危険があります。大動脈弓は第2肋間付近の高さで縦隔の上部にあり、第4肋間の膻中の直下ではありません。気管支は第4から第5胸椎の高さで左右に分岐しますが、正中線上のこの高さで胸骨の直後にあるのは心臓です。

選択肢の確認

1.肺
誤り。肺は正中線から外側にあり、膻中の直下ではありません。

2.大動脈弓
誤り。より上方の高さで縦隔上部にあります。

3.気管支
誤り。この高さで胸骨の直後にあるのは心臓です。

4.心臓
正しい。胸骨孔を通り抜けると心臓に達し、致命的となりえます。

覚えるポイント

  • 膻中=第4肋間、前正中線上、気会かつ心包の募穴。直下は胸骨、その後方は心臓
  • **胸骨孔(先天的な孔)**に気づかず深く直刺すると心臓損傷の危険がある。
  • 胸骨上の経穴は深い直刺を避け、横刺や浅い斜刺とする。前胸部外側は気胸にも注意。
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