19PM127第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問

過去問題(未分類)第19回午後(科目未分類)

下肢のしびれを訴え血液検査で空腹時血糖とHbA1cが高値を示している患者の局所に施灸する場合、最も感染のリスクが高いのはどれか。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

糖尿病患者への施灸のリスクを問う問題です。組織を破壊する灸法はどれかを選びます。

解説

空腹時血糖とHbA1cが高値であることから、この患者は糖尿病と考えられます。下肢のしびれ糖尿病性多発神経障害によるものです。

糖尿病患者、とくに下肢に対する施灸では、次の3点が問題になります。

第一に、易感染性です。高血糖により好中球の遊走能と貪食能が低下し、細菌感染を起こしやすく、また治りにくくなります。

第二に、血流障害です。細小血管障害と、動脈硬化による末梢動脈疾患により、下肢の血流が低下し、傷が治りにくくなります。

第三に、知覚低下です。神経障害により痛みや熱さを感じにくいため、熱傷や傷に気づくのが遅れます。

これらが重なることで、わずかな傷や熱傷から潰瘍を生じ、感染を起こして糖尿病性足病変から壊疽に至り、最悪の場合は下肢切断に至る危険があります。

これを踏まえて選択肢を検討します。

焦灼灸は、いぼ、うおのめ、たこなどの組織を焼き切ることを目的とする有痕灸です。意図的に組織を破壊して創をつくるため、皮膚のバリアが失われ、感染のリスクが最も高くなります。したがって正答は3です。糖尿病患者の下肢に対して行うことは、極めて危険であり避けるべきです。

知熱灸は、患者が熱さを感じた時点で艾を取り除く無痕灸です。ただし、知覚が低下している患者では熱さの申告が遅れ、思わぬ熱傷を招く危険があるため、こちらも慎重な配慮が必要です。

隔物灸は、塩やショウガ、ニンニクなどを挟んで施灸する無痕灸で、熱刺激は穏やかです。

棒灸は、艾を棒状にしたものを皮膚から離して温める無痕灸で、術者が距離と時間を管理できます。

いずれの灸法であっても、糖尿病患者では施灸前後に足の皮膚を必ず観察すること、術者が温度を確認すること、小さな傷や変化があれば医療機関の受診を勧めることが重要です。

選択肢の確認

1.知熱灸
誤り。無痕灸ですが、知覚低下により熱傷には注意が必要です。

2.隔物灸
誤り。無痕灸で熱刺激は穏やかです。

3.焦灼灸
正しい。組織を焼き切る有痕灸であり、感染のリスクが最も高くなります。

4.棒灸
誤り。皮膚から離して温める無痕灸です。

覚えるポイント

  • 糖尿病患者の下肢=易感染性、血流障害、知覚低下が重なり、糖尿病性足病変から壊疽の危険。
  • 焦灼灸は組織を焼き切る有痕灸で感染リスクが最も高い。糖尿病患者には避ける。
  • 施灸前後に足の皮膚を必ず観察し、傷や変化があれば受診を勧める。
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