19PM130第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問

過去問題(未分類)第19回午後(科目未分類)

母指、小指の対立運動が困難となる運動麻痺に対し、罹患神経への局所治療穴として適切なのはどれか。

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

対立運動の障害から罹患神経を特定し、その走行上の経穴を選ぶ問題です。

解説

母指の対立運動は、母指を手掌側へ回して小指と向かい合わせる動作で、物をつまむ動作の基本となります。この動作の主役となるのは母指対立筋をはじめとする母指球筋(短母指外転筋、母指対立筋、短母指屈筋の浅頭)であり、いずれも正中神経の支配を受けます。

正中神経麻痺では、母指球筋が萎縮して母指球が平坦になり、母指を対立位に保てなくなるため、手が平らに見える**猿手(猿手変形)**を呈します。物をつまむ、ボタンをかける、箸を使うといった動作が困難になります。

したがって、対立運動が困難になる運動麻痺の罹患神経は正中神経です。

次に、正中神経の走行に沿う経脈を考えます。正中神経は、腕神経叢から出て上腕内側を下り、肘窩の中央付近を通り、円回内筋の二頭の間を抜けて前腕前面の正中を下行し、手根管を通って手掌に至ります。この走行に最も一致するのは手の厥陰心包経です。心包経は、上腕内側(天泉)から肘窩(曲沢)、前腕前面正中(郄門、間使、内関、大陵)を経て手掌(労宮)に至ります。

郄門は、前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方5寸にある心包経の郄穴です。まさに正中神経の走行上にあたり、罹患神経への局所治療穴として適切です。したがって正答は1です。あわせて内関、大陵、労宮なども用いられます。

他の選択肢を確認します。

支正は、手の太陽小腸経の絡穴で、前腕後内側、尺骨内縁と尺側手根屈筋の間、手関節背側横紋の上方5寸にあります。尺骨神経の走行に近い部位です。

上廉は、手の陽明大腸経の経穴で、前腕後外側、陽渓と曲池を結ぶ線上、肘窩横紋の下方3寸にあります。橈骨神経の支配領域です。

小海は、手の太陽小腸経の合土穴で、肘後内側、肘頭と上腕骨内側上顆の間の陥凹部にあります。尺骨神経溝にあたり、尺骨神経の走行上です。

選択肢の確認

1.郄門
正しい。心包経の郄穴で、前腕前面正中の正中神経の走行上にあります。

2.支正
誤り。前腕後内側にあり尺骨神経の走行に近い部位です。

3.上廉
誤り。前腕後外側にあり橈骨神経の支配領域です。

4.小海
誤り。肘部の尺骨神経溝にあたります。

覚えるポイント

  • 母指の対立=母指対立筋=正中神経。麻痺すると猿手
  • 正中神経は手の厥陰心包経の走行に一致(天泉、曲沢、郄門、間使、内関、大陵、労宮)。
  • 尺骨神経は心経と小腸経(神門、支正、小海)、橈骨神経は大腸経と三焦経(偏歴、上廉、温溜)。
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