19PM135|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者について、問いに答えよ。「27歳の女性。月経が始まる数日前から頭痛やめまいが起こり、乳房に脹痛がある。不安やイライラがあるが月経開始と共に症状は消失する。不正性器出血や病的帯下はみられない。舌質は淡紅、舌苔は厚、脈は弦。」最も考えられる疾患はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
月経に関連する症状の時期に注目する症例問題です。月経開始とともに消失するという経過が決め手です。
解説
27歳の女性で、次の所見があります。
月経が始まる数日前から症状が出現するという点です。すなわち、症状は月経前の黄体期後半に集中しています。
症状は頭痛、めまい、乳房の脹痛、不安、イライラであり、身体症状と精神症状の両方を含みます。
月経開始とともに症状は消失するという点が最も重要です。月経が始まると軽快するという周期性が、この病態を特徴づけます。
不正性器出血や病的帯下はみられないという点から、器質的疾患は否定的です。
これらを総合すると、**月経前緊張症(月経前症候群、PMS)と診断できます。正答は4です。月経前症候群は、月経前3日から10日ほど続く精神的・身体的症状が、月経開始とともに軽快または消失するものと定義されます。症状としては、乳房の張りと痛み、下腹部の張り、頭痛、めまい、むくみ、体重増加、便秘、にきびといった身体症状と、イライラ、抑うつ、不安、集中力低下、眠気または不眠といった精神症状があります。精神症状が特に強いものは月経前不快気分障害(PMDD)**と呼ばれます。
他の選択肢を確認します。
子宮内膜症は、子宮内膜組織が子宮外(卵巣、ダグラス窩、腹膜など)に生着する疾患で、月経のたびに増悪する進行性の月経困難症、性交痛、排便痛、不妊をきたします。痛みは月経中に強く、月経開始とともに消失するのではありません。
子宮筋腫は、過多月経と月経困難症、貧血、腫瘤感、圧迫症状をきたします。不正性器出血を伴うこともあり、症状は月経中に強くなります。
月経困難症は、月経中(または月経開始直前から)に起こる下腹部痛や腰痛が主体で、月経が始まってから強くなります。本症例は月経開始とともに消失しているため当てはまりません。
本症例は東洋医学的には、脈が弦、乳房の脹痛とイライラという所見から肝気鬱結としてとらえられます。
選択肢の確認
1.子宮内膜症
誤り。月経中に増悪する進行性の月経困難症が特徴です。
2.子宮筋腫
誤り。過多月経と貧血、腫瘤感が特徴です。
3.月経困難症
誤り。月経中に痛みが強くなるもので、経過が逆です。
4.月経前緊張症
正しい。月経前に出現し月経開始とともに消失します。
覚えるポイント
- 月経前緊張症(PMS)=月経前3日から10日の症状が、月経開始とともに軽快・消失。
- 症状=乳房の張り、頭痛、むくみ、イライラ、抑うつ。精神症状が強いものはPMDD。
- 月経困難症と子宮内膜症は月経中に増悪する点で区別する。