19PM137|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者について、問いに答えよ。「69歳の女性。10年前から、めまい発作が頻繁に出現している。耳鳴り及び難聴を伴う回転性のめまい発作で眼振も伴う。」めまいの原因として最も考えられるのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
めまいの鑑別を問う症例問題です。難聴と耳鳴を伴うか、反復するかの2点で絞り込みます。
解説
69歳の女性で、次の所見があります。10年前から、めまい発作が頻繁に出現、耳鳴りおよび難聴を伴う回転性のめまい発作、眼振も伴う。
これらはメニエール病の典型像です。正答は4です。
メニエール病は、内リンパ水腫を病態とし、次の3つを主症状とします。回転性めまいの反復発作(数十分から数時間持続)、変動する感音性難聴(発作に伴って悪化し、間欠期に改善するが、経過とともに次第に悪化)、耳鳴と耳閉感です。発作時には眼振を認め、悪心と嘔吐を伴います。発作を繰り返すこと、難聴が変動しながら進行することが特徴で、本症例の「10年前から頻繁に」という経過に合致します。誘因としてストレス、疲労、睡眠不足が知られ、治療には生活の調整、内リンパ水腫を軽減する薬物療法が行われます。
他の選択肢を確認します。
前庭神経炎は、ウイルス感染などにより前庭神経が障害されるもので、激しい回転性めまいが突然起こり、数日持続しますが、難聴と耳鳴を伴わないのが最大の特徴です。通常は一度きりで反復しません。
**良性発作性頭位めまい症(BPPV)**は、耳石が半規管内に迷入して生じるもので、特定の頭位をとったときに、数秒から数十秒の短い回転性めまいが起こります。難聴と耳鳴を伴わず、頭位変換により誘発と消失を繰り返し、**繰り返すうちに軽快する(疲労現象)**のが特徴です。めまいの原因として最も頻度が高い疾患です。
突発性難聴は、突然に一側の高度な感音性難聴が生じるもので、耳鳴を伴い、めまいを伴うこともあります。しかし、**原則として反復しない(一度きり)**点がメニエール病との決定的な違いです。早期の治療開始が予後を左右するため、緊急に耳鼻科の受診が必要です。
めまいの鑑別では、回転性か浮動性か、持続時間、難聴と耳鳴の有無、反復するか、頭位で誘発されるか、神経症状を伴うかを整理します。とくに構音障害、複視、四肢の麻痺やしびれ、意識障害を伴う場合は**中枢性(脳幹や小脳の病変)**を疑い、緊急受診が必要です。
選択肢の確認
1.前庭神経炎
誤り。難聴と耳鳴を伴わず、通常は反復しません。
2.良性発作性頭位めまい症
誤り。頭位で誘発される短時間のめまいで、難聴を伴いません。
3.突発性難聴
誤り。突然の一側性難聴で、原則として反復しません。
4.メニエール病
正しい。反復する回転性めまいに変動する難聴と耳鳴を伴います。
覚えるポイント
- メニエール病=内リンパ水腫、反復する回転性めまい+変動する感音性難聴+耳鳴と耳閉感。
- BPPV=頭位で誘発、数秒から数十秒、難聴なし。前庭神経炎=数日持続、難聴なし、反復しない。
- 突発性難聴=突然の一側性感音性難聴、反復しない。緊急受診が必要。中枢性のめまいの徴候にも注意。