19PM138|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者について、問いに答えよ。「69歳の女性。10年前から、めまい発作が頻繁に出現している。耳鳴り及び難聴を伴う回転性のめまい発作で眼振も伴う。」めまいは大都への鍼刺激で軽快した。大都について正しいのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
大都という経穴の属性を4つの角度から問う問題です。所属経脈、五兪穴、補瀉、部位を確認します。
解説
大都は、足の太陰脾経に属する経穴です。陰経の五兪穴は井木、滎火、兪土、経金、合水の順に配当されるため、脾経では井木穴が隠白、滎火穴が大都、兪土穴が太白(原穴を兼ねる)、経金穴が商丘、合水穴が陰陵泉となります。
したがって、**大都は滎火穴(栄火穴)**であり、記述は正しく、正答は1です。「滎主身熱」といわれるように滎穴は熱を清する働きをもちますが、陰経の滎穴は火に属するため、五行的な補瀉にも用いられます。
各選択肢を確認します。
肝経に属するは誤りです。大都は脾経の経穴です。肝経の滎火穴は行間です。
難経六十九難に基づけば実証で用いるも誤りです。六十九難の原則は「虚するものはその母を補い、実するものはその子を瀉す」です。脾は土に属し、土を生じる母は火です。したがって、脾経の火穴である大都は「母穴」であり、脾虚(虚証)のときに補う穴です。実証のときに瀉すのは子穴、すなわち土が生じる金の穴、経金穴である商丘です。
足内側、第1中足指節関節の近位陥凹部に取るも誤りです。大都は第1中足指節関節の遠位内側陥凹部、赤白肉際に取ります。近位の陥凹部にあるのは**太白(兪土穴かつ原穴)**です。関節を挟んで、遠位が大都、近位が太白という位置関係で覚えます。
本症例では、めまいが大都への鍼刺激で軽快したとされています。前問でメニエール病と判断された症例ですが、東洋医学的には、脾の運化失調により水湿が停滞し、痰湿が清陽の上昇を妨げてめまいを生じる(痰湿中阻)、あるいは脾気虚により気血が頭部を養えないという機序が考えられ、脾を補う大都が用いられたと理解できます。
選択肢の確認
1.栄火穴である。
正しい。脾経の滎火穴です。
2.肝経に属する。
誤り。足の太陰脾経に属します。肝経の滎火穴は行間です。
3.難経六十九難に基づけば実証で用いる。
誤り。母穴であり、脾虚(虚証)のときに補います。
4.足内側、第1中足指節関節の近位陥凹部に取る。
誤り。遠位内側の陥凹部です。近位は太白です。
覚えるポイント
- 大都=脾経の滎火穴、脾虚に補う母穴。第1中足指節関節の遠位内側、赤白肉際。
- 太白=脾経の兪土穴かつ原穴。第1中足指節関節の近位陥凹部、赤白肉際。
- 陰経の五兪穴=井木、滎火、兪土、経金、合水。脾経は隠白、大都、太白、商丘、陰陵泉。