19PM144|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
鍼の刺激に関する記述で正しいのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
刺激量を決める要素を問う問題です。太さ、時間、速さ、深さがそれぞれ刺激量にどう影響するかを整理します。
解説
鍼の刺激量は、次の要素によって決まります。鍼の太さ、刺入の深さ、刺入の速度、手技の種類と強さ、手技を行う時間、刺鍼した経穴の数、置鍼時間です。
原則として、大きい、太い、深い、速い、長い、多いほど刺激量は強くなり、その逆であれば弱くなります。
これを踏まえて各選択肢を検討します。
同じ刺入速度では細い鍼より太い鍼の刺激が弱いという記述は誤りです。太い鍼ほど組織を押し広げる範囲が大きく、刺激は強くなります。臨床では、体力のある人や強い刺激を要する場合に太い鍼を、小児や高齢者、敏感な人には細い鍼を用います。
同じ振幅では短時間雀啄より長時間雀啄の刺激が弱いという記述も誤りです。手技を行う時間が長いほど刺激量は多くなります。雀啄術は鍼を上下に動かす手技で、振幅が大きいほど、また時間が長いほど強い刺激となります。
同じ刺入深度では素早い刺入より遅い刺入の刺激が弱いという記述は正しく、正答は3です。同じ深さまで刺入する場合、素早く刺入するほど単位時間あたりに組織に加わる刺激が大きくなり、刺激量は強くなります。逆にゆっくり刺入すれば刺激量は弱くなります。刺激量は刺入の速度に比例すると理解します。
同じ太さの鍼では浅い刺入より深い刺入の刺激が弱いという記述も誤りです。深く刺入するほど、より多くの組織と受容器に刺激が加わり、刺激量は強くなります。
なお、同じ刺激量を与えても、患者によって感じ方は大きく異なります。体力、年齢、体質、その日の体調、鍼に対する慣れによって適切な刺激量は変わるため、患者の反応を確認しながら調節することが基本です。刺激が過剰であれば、**気分不良、めまい、冷汗、悪心といった脳貧血様症状(いわゆる鍼あたり)**を生じることがあり、その際は直ちに抜鍼し、頭部を低くして安静と保温を図ります。
選択肢の確認
1.同じ刺入速度では細い鍼より太い鍼の刺激が弱い。
誤り。太い鍼ほど刺激は強くなります。
2.同じ振幅では短時間雀啄より長時間雀啄の刺激が弱い。
誤り。時間が長いほど刺激量は多くなります。
3.同じ刺入深度では素早い刺入より遅い刺入の刺激が弱い。
正しい。刺激量は刺入の速度に比例します。
4.同じ太さの鍼では浅い刺入より深い刺入の刺激が弱い。
誤り。深いほど刺激は強くなります。
覚えるポイント
- 刺激量=鍼の太さ、深さ、速度、手技の強さと時間、経穴の数、置鍼時間で決まる。
- 太い、深い、速い、長い、多いほど強刺激。細い、浅い、遅い、短い、少ないほど弱刺激。
- 適切な刺激量は患者ごとに異なる。過剰な刺激は**鍼あたり(脳貧血様症状)**を招く。