19PM146|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
刺鍼による内出血が最も起こりにくいのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
出血傾向をきたす病態を問う問題です。血小板、凝固因子、抗凝固薬のいずれかに問題があるかで判断します。
解説
刺鍼による内出血(皮下出血、血腫)は、止血の仕組みに問題がある患者で起こりやすくなります。止血は、血管の収縮、血小板による一次止血、凝固因子による二次止血という段階で進むため、いずれかが障害されると出血が止まりにくくなります。
各選択肢を検討します。
人工透析患者は、血液透析の際に抗凝固薬(ヘパリンなど)を使用しており、透析日やその直後は血液が固まりにくい状態にあります。また、尿毒症による血小板機能の低下もあり、出血傾向をきたします。したがって内出血を起こしやすい患者です。透析日を避ける、圧迫止血を十分に行うといった配慮が必要です。
血友病患者は、第Ⅷ因子(血友病A)または第Ⅸ因子(血友病B)が欠乏しており、二次止血が障害されます。関節内血腫や筋肉内血腫といった深部出血を起こしやすく、刺鍼による出血のリスクも高くなります。
再生不良性貧血患者は、骨髄の造血障害により汎血球減少をきたし、血小板が著しく減少します。一次止血が障害されるため、皮下出血斑や粘膜出血を起こしやすく、刺鍼でも内出血しやすい状態です。
胃癌患者は、腫瘍そのものによって止血機構が直接障害されるわけではありません。したがって、これらの中では最も内出血が起こりにくいといえ、正答は3です。ただし、注意点はあります。胃癌からの慢性出血により鉄欠乏性貧血をきたしていることがあること、抗凝固薬や抗血小板薬を服用している場合があること、化学療法中であれば骨髄抑制により血小板が減少していること、進行例では播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併しうることです。したがって、実際の臨床では病期、治療内容、服薬状況を確認したうえで施術する必要があります。
内出血の予防としては、血管を避けた取穴、細い鍼の使用、抜鍼後の確実な圧迫止血、抜鍼部の観察が基本です。
選択肢の確認
1.人工透析患者
誤り。抗凝固薬の使用と血小板機能の低下により出血しやすくなります。
2.血友病患者
誤り。凝固因子の欠乏により二次止血が障害されます。
3.胃癌患者
正しい。止血機構が直接障害されるわけではなく、最も起こりにくいといえます。
4.再生不良性貧血患者
誤り。血小板減少により一次止血が障害されます。
覚えるポイント
- 出血しやすい=抗凝固薬や抗血小板薬の服用、血小板減少、凝固因子欠乏、肝疾患。
- 人工透析はヘパリン使用、血友病は凝固因子欠乏、再生不良性貧血は汎血球減少。
- 予防=血管を避ける、細い鍼、確実な圧迫止血、抜鍼部の観察。服薬状況の確認も必須。