19PM151|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
艾について正しい記述はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
艾の原料と製造、性質を問う問題です。採集時期、毛茸の位置、良質と粗悪の違いを確認します。
解説
**艾(もぐさ)**は、ヨモギ(キク科)の葉を原料としてつくられます。製造の過程を確認します。
採集時期は、5月から8月頃、とくに初夏(梅雨前)とされます。この時期のヨモギは葉が茂り、毛茸が充実しているためです。採集後は天日で乾燥させ、臼でついて葉肉などを取り除き、篩(ふるい)にかけて精製します。したがって「9月から11月頃に採集する」は誤りです。
毛茸(もうじょう)は、艾の主成分となる細かい毛で、葉の裏面(裏の面)に密生しています。表面ではありません。精製とは、この毛茸と腺毛だけを取り出す作業にほかなりません。したがって「毛茸は葉の表の面に多い」は誤りです。
良質艾と粗悪艾の違いを確認します。**良質艾(上級艾)**は、夾雑物(葉肉などの精製で除ききれなかった部分)が少なく、毛茸の割合が高いものです。色は淡く(白っぽく)、軽くて柔らかく、繊維が細かく、独特の芳香があります。燃焼温度が低く、燃焼が速く、煙が少なく、点火しやすいという性質をもち、透熱灸など皮膚に直接置く灸に適します。一方、**粗悪艾(下級艾)**は夾雑物が多く、色が濃く、重く硬い感触で、繊維が粗く、燃焼温度が高く、煙とにおいが多いという性質をもち、温灸や灸頭鍼に用いられます。したがって「粗悪な艾は繊維が細かい」は誤りで、繊維が細かいのは良質艾です。
**切艾(切りもぐさ)は、良質の艾を和紙で巻いて棒状にし、一定の長さに切りそろえたものです。大きさが均一であるため刺激量を一定にしやすいという利点があり、皮膚の上に直接置いて用いる灸(直接灸)、とくに知熱灸などに使われます。したがって記述は正しく、正答は4です。なお、灸を直接灸(皮膚に直接艾を置くもの、透熱灸や知熱灸など)と間接灸(隔物灸や温灸など、皮膚と艾の間に何かを挟むもの)**に分ける分類も押さえておきます。
選択肢の確認
1.ヨモギは9-11月頃に採集する。
誤り。5月から8月頃、とくに初夏に採集します。
2.毛茸は葉の表の面に多い。
誤り。葉の裏面に密生しています。
3.粗悪な艾は繊維が細かい。
誤り。繊維が細かいのは良質艾です。
4.切艾は直接灸に用いる。
正しい。良質艾を棒状にして切ったもので、皮膚に直接置いて用います。
覚えるポイント
- 艾=ヨモギの葉、初夏(5月から8月)に採集、葉の裏の毛茸を精製してつくる。
- 良質艾=夾雑物が少なく色が淡い、繊維が細かい、燃焼温度が低い。透熱灸向き。
- 粗悪艾=夾雑物が多く燃焼温度が高い。温灸や灸頭鍼向き。切艾は大きさが均一。