19PM157|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
透熱灸後のフレアー現象の機序となる反射はどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
フレアー現象の機序を問う問題です。神経の分枝を逆行する伝導という仕組みが答えになります。
解説
**フレアー現象(フレア)**は、皮膚に刺激を加えたときに、刺激点の周囲に広がる発赤のことです。透熱灸の後にも、施灸部の周囲に広く赤みが広がる形でみられます。
この機序が軸索反射です。仕組みを順に確認します。
まず、熱刺激により皮膚のポリモーダル受容器が興奮します。この受容器を支配するのは**細径の感覚神経線維(主にC線維)**です。
発生したインパルスは、通常どおり中枢に向かって伝わると同時に、途中の分枝の分かれ目で向きを変え、末梢の別の枝へ逆行して伝わります。これが軸索反射で、中枢を介さず、1本の神経の軸索の中だけで完結する点が特徴です。したがって、シナプスを介する通常の反射とは異なります。
逆行したインパルスが末梢の終末に達すると、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)とサブスタンスPといった神経ペプチドが遊離されます。CGRPは強力な血管拡張作用をもち、サブスタンスPは血管透過性の亢進と肥満細胞からのヒスタミン遊離を引き起こします。その結果、**血管が拡張して発赤(フレア)が広がり、透過性の亢進により膨疹(ホイール)**が生じます。したがって正答は2です。
刺激点の発赤、周囲に広がるフレア、そして膨疹の3つをあわせて、ルイスの三重反応と呼びます。
他の選択肢を確認します。
伸張反射は、筋が急に伸ばされるとその筋が収縮する単シナプス反射で、膝蓋腱反射が代表です。血管反応とは無関係です。
逃避反射(屈曲反射)は、有害な刺激から身体を引っ込める多シナプス反射で、脊髄が中枢です。
立毛反射は、寒冷や情動により交感神経を介して立毛筋が収縮し、鳥肌が立つ反射です。血管拡張ではなく、皮膚血管はむしろ収縮します。
選択肢の確認
1.伸張反射
誤り。筋紡錘を介する単シナプス反射です。
2.軸索反射
正しい。細径線維の逆行性伝導により神経ペプチドが遊離され血管が拡張します。
3.逃避反射
誤り。有害刺激から逃れる脊髄の多シナプス反射です。
4.立毛反射
誤り。交感神経を介する立毛筋の収縮です。
覚えるポイント
- フレア=軸索反射による周囲への発赤。中枢を介さず1本の軸索内で完結。
- 放出される物質=CGRP(強力な血管拡張)とサブスタンスP(透過性亢進、ヒスタミン遊離)。
- ルイスの三重反応=刺激点の発赤、フレア、膨疹。鍼灸による局所血流増加の主要機序。