19PM160|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
関連学説について正しい組合せはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
関連学説の要点を問う問題です。レイリー現象、緊急反応、サイバネティックス、ストレス学説の4つを一つずつ確認します。
解説
各選択肢を検討します。
レイリー現象は、フランスの生理学者レイリーが提唱したもので、種類を問わないさまざまな刺激(非特異的刺激)が自律神経系に加わると、刺激の部位や種類にかかわらず、共通した血管運動性の障害や機能変化が全身に生じるという考え方です。特徴は、刺激と反応の間に特異的な対応関係がないこと、そして障害が刺激部位に限局せず、全身に及ぶ(非限局性である)ことです。したがって「障害部位は限局性」という記述は誤りです。鍼灸では、局所への過剰な刺激の後に全身倦怠感が生じる灸あたりや鍼あたりを説明する概念として引用されます。
緊急反応(闘争か逃走か反応)は、キャノンが提唱したもので、生体が危機に直面したときに交感神経-副腎髄質系が一斉に活性化し、闘うか逃げるかに適した状態をつくるというものです。副腎髄質からアドレナリン(とノルアドレナリン)が血中に分泌され、心拍数増加、血圧上昇、気管支拡張、瞳孔散大、血糖上昇、骨格筋への血流増加、消化管機能の抑制が起こります。したがって「緊急反応-アドレナリン分泌」は正しく、正答は2です。なお、副腎髄質は交感神経節前線維が直接支配し、アセチルコリンとニコチン受容体を介して分泌が促されます。
サイバネティックスは、ウィーナーが提唱した、生物と機械に共通する制御と通信の理論です。フィードバック制御の考え方を扱い、目標値と現在値のずれを検出して修正する仕組みを一般化したものです。内部環境の恒常性を意味するのはホメオスタシスであり、これはベルナールが「内部環境の固定性」として提唱し、キャノンがホメオスタシスと名づけた概念です。したがって組合せは誤りです。
ストレス学説は、セリエが提唱したもので、さまざまなストレッサーに対して生体が示す共通の反応を汎適応症候群とし、警告反応期(ショック相と反ショック相)、抵抗期、疲憊期の3期に分けました。その代表的な所見(三徴)は、副腎皮質の肥大、胸腺とリンパ組織の萎縮、胃と十二指腸の潰瘍です。したがって「副腎皮質の萎縮」は誤りで、正しくは肥大です。副腎皮質刺激ホルモンの分泌が高まって副腎皮質が活性化するため肥大します。
選択肢の確認
1.レイリー現象-障害部位は限局性
誤り。障害は限局せず全身に及びます。
2.緊急反応-アドレナリン分泌
正しい。キャノンの提唱で、副腎髄質からアドレナリンが分泌されます。
3.サイバネティックス-内部環境の恒常性
誤り。恒常性はホメオスタシスで、サイバネティックスは制御と通信の理論です。
4.ストレス学説-副腎皮質の萎縮
誤り。副腎皮質は肥大します。萎縮するのは胸腺とリンパ組織です。
覚えるポイント
- レイリー現象=非特異的刺激による全身性(非限局性)の反応。灸あたりの説明に用いる。
- 緊急反応(キャノン)=交感神経-副腎髄質系、アドレナリン分泌。ホメオスタシス=ベルナールとキャノン。
- ストレス学説(セリエ)=汎適応症候群、副腎皮質の肥大、胸腺の萎縮、胃十二指腸潰瘍。