19PM84第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問

過去問題(未分類)第19回午後(科目未分類)

IL運動(自立生活運動)の思想で正しいのはどれか。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

自立生活運動(IL運動)の思想を問う問題です。「自立」をどう定義するかが核心です。

解説

IL運動(自立生活運動)は、1960年代から1970年代にかけてアメリカの重度障害をもつ学生たちによって始められた運動です。

従来、「自立」とは身の回りのことを他人の手を借りずに自分でできること(身辺自立)、あるいは**経済的に自活できること(経済的自立)**と考えられてきました。この考え方では、重度の障害をもつ人は「自立できない人」とされ、施設や家族の保護のもとに置かれることになります。

IL運動は、この見方を根本から転換しました。すなわち、自立とは、自分の生活のあり方を自分で決めること(自己決定)であり、介助を受けるかどうかや、どれだけ自分で動作できるかによって決まるものではないという考え方です。たとえ全面的な介助を受けていても、いつ、どこで、誰から、どのような介助を受けるかを自分で選び、自分の人生を自分でコントロールしていれば、その人は自立していると捉えます。したがって「自己決定権を尊重する」が正答であり、3です。

この思想は、障害の社会モデル、すなわち「障害は個人の心身機能の問題ではなく、社会の側の障壁によって生み出される」という考え方と結びつき、ノーマライゼーションバリアフリーとユニバーサルデザイン当事者主体(私たちのことを私たち抜きで決めないで)という理念、さらには障害者権利条約へとつながっていきました。ICFが環境因子を明確に位置づけたことも、この流れの中にあります。

他の選択肢を確認します。家族から経済的援助を受けることや障害者施設に入所することは、自己決定に基づいて選ぶこともあり得ますが、IL運動が掲げた思想そのものではなく、むしろ運動が問い直した従来の枠組みに近いものです。日常生活で介助を受けないという考え方は、身辺自立を自立とみなす従来の見方であり、IL運動が明確に転換した点です。

選択肢の確認

1.家族から経済的援助を受ける。
誤り。IL運動が掲げた思想そのものではありません。

2.障害者施設に入所する。
誤り。地域での自立生活を目指す運動の理念とは異なります。

3.自己決定権を尊重する。
正しい。自立を自己決定として捉え直したのがIL運動です。

4.日常生活で介助を受けない。
誤り。身辺自立を自立とする従来の見方であり、運動が転換した点です。

覚えるポイント

  • IL運動=自立とは自己決定。介助を受けていても自分で選んでいれば自立。
  • 関連する理念=ノーマライゼーション、障害の社会モデル、当事者主体、障害者権利条約
  • ICFが環境因子を位置づけたことも同じ流れにある。
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