19PM86|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
高次脳機能障害とその症状との組合せで正しいのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
高次脳機能障害の種類と症状を対応させる問題です。似た症状を取り違えないよう一つずつ確認します。
解説
各選択肢を検討します。
失語症は、言語の理解または表出の障害です。**運動性失語(ブローカ失語)**では、理解は比較的保たれるのに発話が非流暢となり、**感覚性失語(ウェルニッケ失語)**では、流暢に話せるのに意味が通らず理解が困難になります。書字が小さくなる(小字症)のはパーキンソン病の症状であり、失語症とは無関係です。したがって組合せは誤りです。
相貌失認は、視覚は保たれているのに人の顔を見ても誰であるか分からなくなる障害で、声や服装など他の手がかりからは誰であるか分かることがあります。後頭側頭葉の障害で生じます。簡単な手指の模倣ができないのは観念運動失行であり、相貌失認ではありません。したがって組合せは誤りです。
**半側空間無視(半側空間失認)**は、損傷した大脳半球と反対側の空間を認識できず、見落としてしまう障害です。右半球(特に右頭頂葉)の損傷により左側を無視することが多くみられます。具体的には、食事で左半分を残す、左側の人に気づかない、左側の壁や物にぶつかる、絵を描くと左半分が抜ける、文章の左側を読み飛ばすといった形で現れます。したがって「半側空間失認-片側の見落とし」は正しく、正答は3です。同名半盲(視野の欠損)とは異なり、視野は保たれているのに注意が向かないという点が本質です。転倒や外傷の危険が高いため、環境の調整と声かけが重要になります。
失行は、運動麻痺や失調がなく、道具や動作の意味も理解しているのに、目的の動作を行えなくなる障害です。観念失行(道具の使用や一連の動作ができない)、観念運動失行(命令されると身振りができない)、構成失行(図形を組み立てられない)、着衣失行などがあります。集中力の低下は注意障害であり、失行ではありません。したがって組合せは誤りです。
選択肢の確認
1.失語症-書字が小さくなる
誤り。小字症はパーキンソン病の症状です。
2.相貌失認-簡単な手指の模倣ができない
誤り。手指の模倣困難は観念運動失行です。
3.半側空間失認-片側の見落とし
正しい。反対側の空間に注意が向かなくなる障害です。
4.失行-集中力の低下
誤り。集中力の低下は注意障害です。
覚えるポイント
- 半側空間無視=右半球損傷で左側を無視。視野は保たれるが注意が向かない。転倒に注意。
- 失語=言語の理解と表出、失行=動作ができない、失認=それが何か分からない。
- 注意障害、記憶障害、遂行機能障害、社会的行動障害も高次脳機能障害に含まれる。