19PM91|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
末梢神経障害と装具との組合せで正しいのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
末梢神経麻痺と装具の組合せを問う問題です。どの筋が麻痺し、どの動きを補うかで装具が決まります。
解説
各選択肢を検討します。
正中神経麻痺では、**母指球筋(短母指外転筋、母指対立筋、短母指屈筋の浅頭)**が麻痺し、母指の対立運動ができなくなり、母指球が萎縮して手が平らになる猿手を呈します。物をつまむ動作が困難になるため、**母指を対立位に保持する対立装具(オポーネンススプリント)**が用いられます。したがって「正中神経麻痺-対立装具」は正しく、正答は1です。
尺骨神経麻痺では、骨間筋と虫様筋(第3と第4)、母指内転筋が麻痺し、中手指節関節が過伸展して指節間関節が屈曲する**鷲手(鈎爪指)**を呈します。これに対しては、中手指節関節の過伸展を防ぎ屈曲を補助するナックルベンダーが用いられます。トーマススプリントは、大腿骨骨折の牽引と固定に用いる副子であり、末梢神経麻痺の装具ではありません。したがって組合せは誤りです。
橈骨神経麻痺では、手関節と手指の伸筋群が麻痺し、手首が垂れ下がる下垂手を呈します。これに対しては、**手関節を背屈位に保持するコックアップスプリント(手関節背屈保持装具)**が用いられます。ナックルベンダーは尺骨神経麻痺に用いるものです。したがって組合せは誤りです。
脛骨神経麻痺では、下腿三頭筋、後脛骨筋、長趾屈筋などが麻痺し、つま先立ちができず、踵で歩く踵足を呈します。用いられるのは短下肢装具などです。長下肢装具は、**膝の支持性が失われた場合(大腿四頭筋麻痺、対麻痺など)**に用いるもので、脛骨神経麻痺には過剰です。したがって組合せは誤りです。
なお、**総腓骨神経麻痺(下垂足)**に対しては、足関節の背屈を補助する短下肢装具が用いられます。
選択肢の確認
1.正中神経麻痺-対立装具
正しい。母指の対立運動を補うために用います。
2.尺骨神経麻痺-トーマススプリント
誤り。トーマススプリントは大腿骨骨折の固定用です。尺骨神経麻痺にはナックルベンダーです。
3.橈骨神経麻痺-ナックルベンダー
誤り。橈骨神経麻痺にはコックアップスプリントを用います。
4.脛骨神経麻痺-長下肢装具
誤り。長下肢装具は膝の支持性が失われた場合に用います。
覚えるポイント
- 正中神経=猿手→対立装具、尺骨神経=鷲手→ナックルベンダー、橈骨神経=下垂手→コックアップスプリント。
- 総腓骨神経=下垂足→短下肢装具、脛骨神経=踵足。
- **長下肢装具は膝の支持性喪失(対麻痺など)**に用いる。