19PM94|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
脾虚の症状はどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
脾の生理作用から症状を導く問題です。運化を主る臓という点が鍵になります。
解説
脾の主な働きは次のとおりです。
運化を主る、すなわち飲食物を消化吸収して水穀の精微をつくり、これを全身に運ぶことです。同時に水湿の運化も担い、体内の水分の代謝に関わります。
昇清を主る、すなわち水穀の精微を上方の心肺へ持ち上げ、また内臓を正しい位置に保つことです。
統血を主る、すなわち血が脈外に漏れないように統括することです。
そのほか、肌肉と四肢を主り、口に開竅し、その華は唇にあるとされます。脾は気血生化の源、後天の本とも呼ばれます。
**脾虚(脾気虚)になると、運化が失調して、食欲不振、腹部の膨満、食後の眠気やだるさ、そして軟便や下痢が生じます。とくに大便溏薄(泥状便)**は脾虚の代表的な症状です。したがって正答は2です。あわせて、倦怠感、四肢の無力、面色萎黄、内臓下垂(脾気下陥)、出血傾向(脾不統血)、舌質淡で歯痕、脈は緩弱がみられます。
他の選択肢を確認します。
陽萎(勃起不全)は、腎の機能失調によるものです。腎は精を蔵し、生殖を主る臓であり、腎陽虚では陽萎、遺精、早漏、不妊、腰膝のだるさ、下肢の冷えがみられます。
咳嗽は、肺の機能失調によるものです。肺は気を主り、呼吸を主り、宣発と粛降を主る臓であり、この働きが失調すると咳、喘、痰が生じます。
目のかすみは、肝の機能失調によるものです。肝は目に開竅し、血を蔵すとされ、肝血が不足すると眼精疲労、目の乾燥、かすみ目、視力低下が生じます。
このように、症状から臓腑を推定する練習は、弁証の基礎として重要です。
選択肢の確認
1.陽萎
誤り。腎の機能失調(腎陽虚)による症状です。
2.軟便下痢
正しい。脾の運化失調による代表的な症状です。
3.咳嗽
誤り。肺の機能失調による症状です。
4.目のかすみ
誤り。肝血の不足による症状です。
覚えるポイント
- 脾=運化、昇清、統血、肌肉と四肢を主る、口に開竅、華は唇。気血生化の源、後天の本。
- 脾虚=食欲不振、腹満、軟便下痢、倦怠感、面色萎黄、内臓下垂、出血傾向、舌淡で歯痕。
- 陽萎は腎、咳嗽は肺、目のかすみは肝。