19PM97|第19回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「55歳の女性。皮下出血しやすく、皮膚はかさつき、腹が脹る。月経時に血塊を伴う。」最も考えられる病証はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
瘀血の所見を見抜く症例問題です。出血しやすさ、皮膚の状態、月経の性状の3点が同じ結論を指しています。
解説
55歳の女性で、次の所見があります。
皮下出血しやすいという点です。瘀血があると血が正常な脈道をめぐらず、血が脈外に漏れやすくなるため、軽い打撲でも青あざができやすくなります。
皮膚がかさつくという点です。これは肌膚甲錯と呼ばれる所見で、血の滞りにより肌が栄養されず、鮫肌のようにざらざらと乾燥する状態です。瘀血の典型的な所見とされます。
腹が脹るという点です。血の停滞は気の流れも妨げるため、腹部の張りが生じます。
月経時に血塊を伴うという点です。経血が暗紫色で塊を含むのは、瘀血による月経異常の代表的な所見です。あわせて、刺すような痛み(刺痛)、押されるのを嫌う(拒按)、夜間の増悪もみられます。
これらを総合すると、病証は瘀血であり、正答は4です。
他の選択肢を確認します。
**水滞(水湿の停滞)**では、むくみ、身体の重だるさ、めまい、悪心、尿量の減少、胖大舌、膩苔、滑脈がみられます。皮膚はかさつくのではなく、むしろ湿っぽくなります。
血虚では、顔色が蒼白または萎黄、めまい、動悸、不眠、手足のしびれ、爪のもろさ、経血が淡く量が少ない、舌質淡、脈細がみられます。皮膚の乾燥は血虚でもみられますが、皮下出血しやすいことと月経時の血塊は説明できません。血虚では経血は淡く少量になるためです。
気逆は、本来下降すべき気が上へ突き上げる病態で、のぼせ、頭痛、めまい、悪心と嘔吐、咳と喘、げっぷ、しゃっくりがみられます。
選択肢の確認
1.水滞
誤り。むくみや身体の重だるさが中心で、皮膚は乾燥しません。
2.血虚
誤り。経血は淡く少量となり、血塊や皮下出血は説明できません。
3.気逆
誤り。のぼせや悪心、しゃっくりなど気の上逆による症状です。
4.瘀血
正しい。皮下出血、肌膚甲錯、腹満、月経時の血塊がそろいます。
覚えるポイント
- 瘀血=固定性の刺痛、拒按、夜間増悪、腫塊、皮下出血、肌膚甲錯、暗紫色で塊を含む経血。
- 舌脈=舌質は暗紫色または瘀点・瘀斑、舌下静脈の怒張、濇脈。
- 血虚は経血が淡く少量、水滞はむくみと重だるさと区別する。