20AM42|第20回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
過去問題(未分類)第20回午前(科目未分類)
筋をすりつぶし紐状の標本を作成し以下の物質を加えた。この標本が顕著に短縮するのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
筋収縮に必要な条件を問う実験的な問題です。
収縮を起こすために何が必須かを考えます。
解説
筋をすりつぶして紐状にした標本(グリセリン筋などの実験標本)では、細胞膜の構造は失われていますが、アクチンとミオシン、トロポニン、トロポミオシンといった収縮装置は残っています。
この標本を短縮させるには、二つのものが必要です。一つはカルシウムイオンで、トロポニンに結合してトロポミオシンの位置をずらし、アクチンの結合部位を露出させます。もう一つはATPで、ミオシン頭部の首振り運動と、アクチンからの解離のエネルギー源になります。したがって、ATPとカルシウムイオンを加えたときに顕著に短縮し、これが正答です。
グルコースは、通常の細胞では代謝されてATPを生み出しますが、この標本では代謝系が保たれていないため、そのままではエネルギーとして利用できません。したがってグルコースを加えても収縮は起こりません。
カリウムイオンは静止膜電位の形成に関わりますが、膜構造の失われた標本では収縮の引き金にはなりません。
この実験は、筋収縮の本質が「膜の興奮」ではなく「カルシウムイオンとATPによるアクチンとミオシンの相互作用」であることを示しています。
選択肢の確認
1.ATPとカリウムイオン
誤り。カルシウムイオンがなければ収縮は開始しません。
2.ATPとカルシウムイオン
正しい。収縮の開始と首振り運動に必要な二つがそろいます。
3.グルコースとカリウムイオン
誤り。いずれも直接の条件になりません。
4.グルコースとカルシウムイオン
誤り。ATPが供給されないため収縮できません。
覚えるポイント
- 筋収縮に必須=カルシウムイオン(トロポニンに結合)とATP(首振りと解離)。
- ATPが枯渇するとミオシンがアクチンから離れられなくなる(死後硬直)。
- 弛緩時のカルシウム回収はカルシウムポンプによりATPを消費する。
- 収縮は滑走説で説明され、フィラメント自体の長さは変わらない。