20AM77|第20回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
過去問題(未分類)第20回午前(科目未分類)
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「65歳の男性。3週間前に転倒し、前頭部を強打した。その時以後両上肢のしびれ感と歩行困難が出現している。」最も考えられるのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
受傷機転と症状の分布から病態を推定する問題です。
65歳男性、転倒して前頭部を強打、その後の両上肢のしびれと歩行困難、という所見に注目します。
解説
前頭部(前額部)を強打する転倒では、頸部が過伸展を強いられます。高齢者では加齢に伴って脊柱管が狭くなっているため、この過伸展によって脊髄が前後から挟まれ、骨折や脱臼を伴わずに脊髄が損傷されることがあります。これが非骨傷性の頸髄損傷であり、その代表が**中心性脊髄損傷(頸髄中心性損傷)**です。したがってこれが正答です。
中心性脊髄損傷では、脊髄の中心部が強く障害されます。皮質脊髄路では上肢を支配する線維が内側(中心寄り)に配列しているため、上肢に強く、下肢に軽いという特徴的な麻痺の分布を示します。この症例で両上肢のしびれが目立つのはこのためです。
頸椎骨折では、通常は強い頸部痛と、画像上の骨折所見を伴います。この症例は非骨傷性の経過が示唆されます。
頸髄腫瘍は、緩やかに進行する経過をとるのが一般的で、転倒を契機に急に症状が出るという経過とは異なります。
腕神経叢障害では、障害された神経の支配領域に限った症状が出ますが、歩行困難(下肢の症状)は説明できません。
選択肢の確認
1.頸椎骨折
誤り。強い頸部痛と画像上の骨折所見を伴います。
2.頸髄中心性損傷
正しい。高齢者の頸部過伸展により生じ、上肢優位の麻痺を示します。
3.頸髄腫瘍
誤り。緩やかに進行する経過をとります。
4.腕神経叢障害
誤り。上肢に限局し、歩行困難は説明できません。
覚えるポイント
- 中心性脊髄損傷=高齢者、頸部の過伸展、骨傷を伴わないことが多い。
- 特徴=上肢優位の麻痺(下肢は比較的軽い)、しびれ、膀胱直腸障害。
- 背景に頸椎症性脊柱管狭窄がある。
- 急な四肢のしびれや麻痺は緊急性が高く、速やかに医療機関へつなぐ。