20AM79|第20回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「78歳の女性。大腿骨頸部骨折の術後3日間ベッド上安静であったが、突然胸痛、呼吸困難が出現した。胸部単純エックス線写真ではうっ血所見はなく、肺野の透過性増大がみられた。血清クレアチンキナーゼ値は正常。D-ダイマー値上昇が認められた。」本疾患の発症を予測するのに最も有用な検査はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
肺血栓塞栓症を推定し、その発症を予測する検査を選ぶ問題です。
78歳女性、術後3日間のベッド上安静、突然の胸痛と呼吸困難、うっ血なし、CK正常、D-ダイマー上昇という所見に注目します。
解説
長期臥床の後に突然の胸痛と呼吸困難が生じ、D-ダイマーが上昇していることは、肺血栓塞栓症を強く示唆します。胸部エックス線でうっ血がないこと(心不全らしくない)、血清クレアチンキナーゼが正常であること(心筋梗塞らしくない)も、この診断を支持します。
肺血栓塞栓症の血栓の多くは、下肢や骨盤の深部静脈にできた血栓が剥がれて肺動脈に達したものです。したがって、発症を予測するうえで最も有用なのは、下肢の深部静脈に血栓があるかを調べる下肢静脈超音波検査です。非侵襲的で繰り返し実施でき、血栓の有無と部位を確認できます。したがってこれが正答です。
ホルター心電図は24時間の心電図を記録する検査で、不整脈の評価に用いられます。
負荷心筋シンチグラフィは、運動や薬剤で負荷をかけて心筋の血流を評価する検査で、虚血性心疾患の診断に用いられます。
頸動脈超音波検査は、頸動脈の動脈硬化やプラークを評価する検査で、脳梗塞の危険度の評価に用いられます。
選択肢の確認
1.ホルター心電図
誤り。不整脈の評価に用いる検査です。
2.負荷心筋シンチグラフィ
誤り。心筋虚血の評価に用いる検査です。
3.頸動脈超音波検査
誤り。頸動脈の動脈硬化の評価に用いる検査です。
4.下肢静脈超音波検査
正しい。塞栓の原因となる深部静脈血栓の有無を調べられます。
覚えるポイント
- 肺血栓塞栓症=原因は下肢深部静脈血栓症。両者を合わせて静脈血栓塞栓症という。
- 症状=突然の呼吸困難、胸痛、頻呼吸、頻脈、失神。
- 検査=D-ダイマー、下肢静脈超音波検査、造影CT。
- 術後や長期臥床の後の突然の呼吸困難は本症を疑う。