21AM79|第21回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「71歳の女性。1週間前から労作時の胸痛を自覚していたが、安静で症状は軽減したため放置していた。しかし、昨日より安静時でも胸痛が起こるようになり、救急受診した。」本疾患の危険因子として最も重要なのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
不安定狭心症の危険因子を問う問題です。
71歳女性、労作時の胸痛が1週間続き、安静時にも胸痛が起こるようになったという経過から病態を判断します。
解説
労作時に生じて安静で軽減する胸痛は労作性狭心症の典型ですが、症状が短期間で増悪し、安静時にも胸痛が起こるようになった場合は不安定狭心症と判断されます。冠状動脈の粥腫(プラーク)が破綻して血栓が形成されつつある状態で、心筋梗塞へ移行する危険が高く、急性冠症候群として緊急の対応が必要です。
その基盤にあるのは動脈硬化です。動脈硬化の危険因子には、脂質異常症(LDLコレステロールの高値、HDLコレステロールの低値)、高血圧、糖尿病、喫煙、肥満、加齢、家族歴があります。
HDLコレステロールは、末梢の組織から余分なコレステロールを回収して肝臓へ運ぶ働きをもち、動脈硬化を抑える方向に働きます。したがって低HDL血症は動脈硬化を促進する重要な危険因子であり、これが正答です。
低血糖は、糖尿病の治療中などに生じる急性の状態で、動脈硬化の危険因子ではありません。危険因子となるのは**高血糖(糖尿病)**です。
低血圧も危険因子ではありません。動脈硬化を促進するのは高血圧です。
低アルブミン血症は、栄養障害、肝疾患、ネフローゼ症候群を反映する所見であり、虚血性心疾患の主要な危険因子ではありません。
選択肢の確認
1.低血糖
誤り。危険因子となるのは高血糖(糖尿病)です。
2.低血圧
誤り。危険因子となるのは高血圧です。
3.低HDL血症
正しい。HDLはコレステロールを回収する働きをもち、低下は動脈硬化を促します。
4.低アルブミン血症
誤り。虚血性心疾患の主要な危険因子ではありません。
覚えるポイント
- 不安定狭心症=安静時にも出現、症状が増悪、心筋梗塞へ移行する危険が高い。急性冠症候群。
- 動脈硬化の危険因子=高LDL、低HDL、高血圧、糖尿病、喫煙、肥満、加齢。
- HDLは末梢からコレステロールを回収する。
- 胸痛が20分以上続く、冷汗を伴う場合は心筋梗塞を疑い、直ちに救急要請する。