21AM80|第21回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「71歳の女性。1週間前から労作時の胸痛を自覚していたが、安静で症状は軽減したため放置していた。しかし、昨日より安静時でも胸痛が起こるようになり、救急受診した。」本疾患の合併症としてよくみられるのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
虚血性心疾患の合併症を問う問題です。
心筋の虚血が何を引き起こすかを考えます。
解説
心筋が虚血に陥ると、細胞膜のイオンの動きが乱れて電気的に不安定になり、不整脈が生じやすくなります。中でも心室性期外収縮は最も高頻度にみられる合併症です。したがってこれが正答です。心室性期外収縮が頻発したり連発したりすると、心室頻拍や心室細動へ移行して突然死に至る危険があるため、監視と対応が重要になります。心筋梗塞の急性期における死因として、心室細動は大きな割合を占めます。
このほか、虚血性心疾患の合併症としては、心不全、心原性ショック、心破裂、僧帽弁閉鎖不全(乳頭筋の断裂による)、心室瘤、心膜炎などがあります。
僧帽弁狭窄症は、リウマチ熱の後遺症として弁が癒着することで生じる疾患であり、虚血性心疾患の合併症ではありません。虚血に関連して生じるのは、乳頭筋の機能不全による僧帽弁閉鎖不全です。
心房中隔欠損症は、生まれつき心房中隔に孔がある先天性心疾患です。虚血によって生じるものではありません。
気胸は胸腔に空気がたまる呼吸器の病態であり、虚血性心疾患とは関係しません。ただし、突然の胸痛と呼吸困難という点で症状が似るため、鑑別として意識しておく価値はあります。
選択肢の確認
1.僧帽弁狭窄症
誤り。リウマチ熱の後遺症として生じます。
2.心室性期外収縮
正しい。虚血により心筋が電気的に不安定となり高頻度に生じます。
3.心房中隔欠損症
誤り。先天性心疾患です。
4.気胸
誤り。呼吸器の病態であり、虚血性心疾患とは関係しません。
覚えるポイント
- 虚血性心疾患の合併症=不整脈(心室性期外収縮、心室頻拍、心室細動)、心不全、心原性ショック、心破裂。
- 急性期の突然死の主因は心室細動。AEDの適応となる。
- 心筋梗塞=20分以上続く胸痛、冷汗、悪心。心電図のST上昇、トロポニンとCK-MBの上昇。
- 糖尿病や高齢者では無痛性心筋梗塞があり、症状が乏しいことに注意する。