21PM131|第21回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者の病態に対し、罹患局所への施術対象となる神経根で最も適切なのはどれか。「35歳の男性。腰椎椎間板ヘルニアを発症し、腰下肢痛がある。患側では長母指屈筋の筋力低下、足底部に知覚鈍麻がみられる。アキレス腱反射は減弱。」
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
腰椎椎間板ヘルニアの神経根高位を推定する問題です。
35歳男性、腰下肢痛、長母趾屈筋の筋力低下、足底部の知覚鈍麻、アキレス腱反射の減弱という所見に注目します。
解説
決め手となるのはアキレス腱反射の減弱です。アキレス腱反射はS1を反映するため、その減弱はS1神経根の障害を示します。
足底部の知覚鈍麻も、S1(および仙骨神経)の支配領域に一致します。S1の皮膚分節は、下腿後面から足の外側、足底、小趾にかけて分布します。
長母趾屈筋は足の母趾を底屈させる筋で、脛骨神経(L5からS2)の支配を受けます。足の底屈に関わる筋の筋力低下も、S1の障害を支持する所見です。つま先立ちができない、あるいは続かないという形で現れます。
以上をまとめるとS1神経根の障害と判断され、これが正答です。責任病巣としてはL5-S1椎間板ヘルニアが考えられます。局所への施術としては、S1に対応する高さの経穴(上髎や次髎の部位、関元兪など)や、S1の走行に沿った承扶、殷門、委中、承山、崑崙などが用いられます。
L3神経根の障害では、大腿前面の知覚障害と膝伸展の筋力低下がみられます。
L4神経根の障害では、下腿内側の知覚障害と膝蓋腱反射の減弱がみられます。
L5神経根の障害では、下腿外側から足背の知覚障害と足関節背屈の筋力低下がみられ、腱反射は正常です。
選択肢の確認
1.L3神経根
誤り。大腿前面の知覚と膝伸展に関わります。
2.L4神経根
誤り。膝蓋腱反射の減弱を伴います。
3.L5神経根
誤り。足背屈の低下と足背の知覚障害を示し、腱反射は正常です。
4.S1神経根
正しい。アキレス腱反射の減弱、足底の知覚鈍麻、底屈筋の筋力低下に合致します。
覚えるポイント
- S1=下腿後面から足外側と足底、足底屈、アキレス腱反射。つま先立ちができない。
- L5=下腿外側から足背と母趾、足背屈、腱反射は正常。踵立ちができない。
- L4=下腿内側、膝伸展、膝蓋腱反射。
- 好発高位=L4-L5(L5神経根)とL5-S1(S1神経根)。