21PM137|第21回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者について、問いに答えよ。「23歳の女性。主訴は月経痛。下腹部の脹ったような痛みで月経血に血塊がみられる。下腹部を押すと痛みが増強。舌診では淡白舌、舌苔剥離、脈診では弦脈を呈した。」病証に基づく治療方針として最も適切なのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
気滞による月経痛を読み取り、治療方針を選ぶ問題です。
23歳女性、下腹部の脹ったような痛み、月経血に血塊、押すと痛みが増強(拒按)、脈は弦という所見を統合します。
解説
脹ったような痛み(脹痛)は気滞を示す代表的な痛みです。脈が弦であることも、肝の失調と気の滞りを示す典型的な所見です。押すと痛みが増強する(拒按)ことは実証を示し、虚証(押さえると楽になる)と区別されます。月経血に血塊がみられることは、気の滞りが長引いて血の巡りも滞った(気滞血瘀)状態を示します。
肝は疏泄を主り、気の流れを伸びやかに保つとともに月経を調節します。したがって、この病証は**肝気鬱結(気滞)を主体とするものであり、治療方針は肝気の滞りを除く(疏肝理気)**ことになります。したがってこれが正答です。太衝、期門、三陰交、気海、次髎、合谷などを用います。
肝気の不足を補うという方針は、この症例が実証(拒按、脈弦、脹痛)であることと合いません。
肝血の不足を補うのは、月経後にじわじわ痛む(隠痛)、押さえると楽になる、経血量が少なく色が薄い、めまい、細脈といった血虚の所見がある場合の方針です。この症例の脹痛と血塊、拒按とは合いません。
肝陽の上亢を抑えるのは、頭痛、めまい、耳鳴り、顔面紅潮、イライラが中心の場合の方針であり、月経痛の中心的な病証ではありません。
なお、この症例では舌所見(淡白舌、舌苔剥離)に虚の要素も混在していますが、痛みの性質、拒按、弦脈という所見から気滞を主体と判断します。
選択肢の確認
1.肝気の不足を補う。
誤り。拒按と弦脈から実証と判断されます。
2.肝血の不足を補う。
誤り。血虚では隠痛と喜按、細脈がみられます。
3.肝気の滞りを除く。
正しい。脹痛、拒按、弦脈から気滞と判断されます。
4.肝陽の上亢を抑える。
誤り。頭痛やめまいが中心の場合の方針です。
覚えるポイント
- 気滞=脹痛、部位が移動しやすい、情志で変動、弦脈、太息。
- 実証は拒按(押さえると悪化)、虚証は喜按(押さえると楽)。
- 月経痛の弁証=気滞血瘀、寒凝血瘀、気血両虚、肝腎不足。
- 治療=疏肝理気(太衝、期門、三陰交、気海、次髎、合谷)。