21PM138|第21回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者について、問いに答えよ。「23歳の女性。主訴は月経痛。下腹部の脹ったような痛みで月経血に血塊がみられる。下腹部を押すと痛みが増強。舌診では淡白舌、舌苔剥離、脈診では弦脈を呈した。」月経痛の痛み治療としてゲートコントロール理論に基づく鍼通電療法で適切な組み合わせはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
ゲートコントロール理論に基づく鍼通電の部位選択を問う問題です。
痛みの分節に一致する部位を選びます。
解説
ゲートコントロール理論は、太い有髄線維(Aβ線維)からの入力が、脊髄後角にある介在ニューロンを介して、細い線維(Aδ線維、C線維)による痛みの伝達を抑えるという考え方です。この抑制は脊髄の同じ分節(髄節)で働くため、鍼刺激は痛みの由来する分節と同じ高さに与えることが効果的です。
子宮からの痛覚は、下腹神経を介して**第10胸髄から第1腰髄(T10からL1)**に入ります。したがって、この高さに対応する背部の経穴を選びます。
脾兪は第11胸椎棘突起下縁の高さ、三焦兪は第1腰椎棘突起下縁の高さにあり、いずれもT10からL1の範囲に対応します。したがってこの組合せが最も適切であり、正答です。
次髎-下髎は、第2後仙骨孔と第4後仙骨孔の高さにあり、**仙髄(S2からS4)**に対応します。骨盤内臓神経の分節であり、子宮体部の痛みを伝える下腹神経の分節とは異なります(ただし臨床では月経痛に広く用いられる部位です)。
腎兪-大腸兪は、第2腰椎と第4腰椎の高さにあり、L2からL4に対応します。T10からL1より下になります。
膈兪-肝兪は、第7胸椎と第9胸椎の高さにあり、T7からT9に対応します。T10からL1より上になります。
選択肢の確認
1.次髎-下髎
誤り。仙髄(S2からS4)に対応します。
2.腎兪-大腸兪
誤り。第2腰椎と第4腰椎の高さで、対応分節が下になります。
3.脾兪-三焦兪
正しい。第11胸椎と第1腰椎の高さで、子宮の分節(T10からL1)に一致します。
4.膈兪-肝兪
誤り。第7胸椎と第9胸椎の高さで、対応分節が上になります。
覚えるポイント
- ゲートコントロール理論=太い線維(Aβ)の入力が同一分節で痛みの伝達を抑える。
- 子宮の痛覚=下腹神経(T10からL1)。膣と子宮頸部は骨盤内臓神経(S2からS4)。
- 背部兪穴の高さ=脾兪(T11)、胃兪(T12)、三焦兪(L1)、腎兪(L2)、大腸兪(L4)。
- 鍼通電では心臓を挟む通電を避け、同一の筋や神経の走行に沿って二穴を選ぶ。